「東京―北京フォーラム」の重要な内容として、中国外文局と言論NPOが共同で実施した「中日共同世論調査」の結果が10月11日、東京で発表された。 そのデータによると、調査結果は、引き続き改善している最近の中日関係の現状とおおむね一致した。両国とも、相手国の印象と中日関係の発展について、いっそう改善が進んでいると評価している。とくに国際的な課題で、両国のより一層の協力が期待されている。
相手国の印象はさらに改善
中国側の日本に対する印象は過去3年連続して好転している。過去1年に中日関係は好転し、将来の両国関係も楽観視する回答が両国共に大幅に増え、ますます多くの回答者が中日関係の重要性を認識している。過去1年の中日関係の発展について、「良くなった」(「どちらかといえば良くなった」を含む)と答えた中国人は昨年の14・7%から30・2%に増え、「悪くなった」(「どちらかといえば悪くなった」を含む)は同44・5%から24・1%へと大幅に減った。「現在の中日関係についてどう思うか」という質問に、「良い」(「どちらかといえば良い」を含む)と答えた中国人は、昨年の22・8%から30・3%に増えている。また、今後の中日関係の見通しについて「良くなっていく」(「どちらかといえば良くなっていく」を含む)と見ている中国人は、昨年の28・8%から38・2%へとアップした。一方で、両国関係が「悪くなっていく」(「どちらかといえば悪くなっていく」を含む)は昨年の29・7%から18・2%へと10ポイント以上減った。
日本人の中国に対する印象で、「良い」(「どちらかといえば良い」を含む)は13・1%で昨年(11・5%)から1・6ポイント増えた。また両国国民の相手方への感情について、日本人の7・1%が「好転した」(「どちらかといえば好転した」を含む)と答えており、昨年(4・8%)から増えている。さらに現在の中日関係について、「良い」(「どちらかといえば良い」を含む)と答えた日本人は7・2%で、昨年(6・7%)から若干増えた。過去1年の中日関係の発展についても、「どちらかといえば良くなった」と答えた日本人は、昨年の4・8%から今年は9・2%にアップした。一方で「どちらかといえば悪くなった」は14・8%で、昨年(21%)から減っている。
両国協力への期待が高まる
中国人の中日関係への重視ぶりや経済・貿易協力への確信、民間交流の期待、二国間協力と多国間協力への支持などの面がはっきりと高まっている。「中国の将来を考えるにあたり、世界の中で最も中国との関係が重要だと思う国や地域はどこか」という質問に、「日本」を選んだ中国人は昨年の12%から18・2%にアップしており、両国の経済・貿易協力の回復に対する中国人の確信は明らかに強まっている。また中日の今後の経済・貿易関係については、67・4%の中国人が両国間の経済・貿易額が「大きく増加する」「やや増加する」と答えており、昨年の36・7%から30・7ポイントと倍近く増えた。世界の自由貿易体制が深刻な問題を抱える中で、中国人は自由貿易体制を擁護する考えを支持しており、中国と日本が経済で協力して現在の困難な国際貿易環境に対応することを好ましいと思っている。さらに、中国人の61・2%が世界のグローバル化を「良いことだと思う」と考えており、80・5%が今後の世界の自由貿易とWTOなど多国間主義に基づく国際協力が「非常に重要」「ある程度重要だと思う」と答えている。
日本では「自国の将来にとって世界の中で最も関係が重要だと思う国や地域」として中国を選んだのは、昨年の7・3%から8・2%に増えた。国際秩序が不安定な現在、「世界をリードすべきだと考える国や地域」として、中国を選んだ日本人も昨年の7・8%から11・7%に増えた。
日本人の中日両国の経済・貿易協力に対する確信も回復した。日本人の36・6%が両国の今後の経済・貿易額は「大きく増加する」「やや増加する」と考えており、昨年の10・7%から約3倍に増加している。また世界のグローバル化の是非について、日本と中国は共通認識を持っている。日本人の49・9%がグローバル化は「良いことだと思う」と評価し、65・1%が今後の世界での自由貿易とWTOによる多国間主義に基づく国際協力が「非常に重要だと思う」「ある程度重要だと思う」と判断している。
今年の調査データは、中日関係のプラスの方向に3年連続で増加し、満足する結果となった。しかし、両国の調査結果を比較すると、いくつかの点で双方に大きな認識のズレがある。これは、両国民の相手国に対する認識の程度と直接的な関係がある。ここ数年、日本を訪れる中国人が増えるのに伴い、より多くの中国人が日本や中日関係について客観的に理解するようになってきている。その一方、日本人の多くがメディアを通して中国を知り、肌身で中国を感じることが少ない。こうしたことが日本の中国に対する判断に影響している。もし、もっと多くの日本人が中国を訪れるなら、この世論調査の結果もさらにわれわれを元気付けるものになるだろう。(沈暁寧=文)
人民中国インターネット版 2018年11月