苦境で知る真心 連帯する中国

2020-03-30 15:04:02

心を一つに新型肺炎の克服へ――。中国の国内で最大限の力を合わせて今回の苦境に取り組んでいる時、中国の国民は国際社会からの理解と支持に温もりをひとしお感じている。新型肺炎の発生以来、約200の国と国際機関の元首や代表から見舞いが寄せられ、約100カ国が義援金や支援物資を送った。これに対して政府は、「苦境で知る真心」という言葉で、国際社会への感謝を示した。これはまた、14億人の中国人の共通した心の声である。

 

パキスタン人のハマドさん(右)とモーリシャス人のソーマさんは、浙江省温州で働く国際結婚の医師夫婦。新型肺炎の発生後、2人は進んで温州の防疫活動に参加した(新華社)

世界が認めた決意と効果

「これまでに見たこともない大規模の動員だ」「各国の感染防止対策に向けて中国は新たな手本を示した」「中国が、最善の治療法とウイルスまん延の防止対策の確立に向けて努力していることに対し、世界中が感謝している」――。WHOのテドロス事務局長は、中国の感染予防抑制に対する貢献をこう評価した。

感染が拡大して以来、中国が取った素早く強力な措置は、世界の多くの国々に認められた。WHO執行理事会の第146回会議の席上、ほとんどの出席者が中国への称賛を表した。各国は、中国が「最も専門的で最も科学的な方法」による措置を講じていると認めた。武漢の封鎖など、多くの措置は、いずれも感染の拡大化を効果的にコントロールしている。英国の代表はこう語った。「これは英雄的な行動だ。おかげでわれわれはより安全になった。中国は国民の健康を効果的に守っているだけでなく、中国が感染症の防止と制圧の闘いに打ち勝つと世界に確信させた」

 この硝煙なき戦いにおいて、中国が示した努力と能力、自信と決意に、国際社会は感動した。中国のスピードと中国の責任感は各方面から称賛された。

武漢の火神山病院が2月2日、完成した。わずか10日で、総面積3万3900平方もの病院が無から生まれた。その「火の神」のようなスピードに国際社会は驚き、世界は新型肺炎に立ち向かう中国の実行力を再び目の当たりにした。

「奇跡の病院」――ロシアの日刊紙『コムソモリスカヤプラウダ』は火神山病院をこう表現し、その完工までの速さを「新記録」と報道した。またシンガポールの『聯合早報』は、これは建築技術の試練だけでなく、危難に対する中国人の粘り強さと団結力が試されていると伝えた。「中国は短時間に、1000床以上のベッドを備えた二つの病院を立ち上げた。これは、中国政府の高いガバナンス能力の具体的な成果である」。メキシコ自治技術学院のアジア太平洋問題研究員のユリシーズグラナドス氏はこう語った。

中国は国内に対して最も全面的で、最も厳しく、最も徹底した感染拡大の予防抑制措置を講じた。国外に対しては、オープンで透明な方針にのっとって国際社会に情報を伝え、各国と感染拡大防止の協力を進めている。米国保険福祉省のアレックスアザー長官は、ウイルス遺伝子の配列を共有する中国の素早い措置を称賛し、各国が共同して早期にワクチンを開発するために貴重な時間を稼いだとした。東南アジア諸国連合(ASEAN)のクン事務次長は、新型肺炎の感染拡大予防と抑制における中国の私心のない誠意は、オープンで責任感ある良いイメージにはっきりと表れていると語った。

しかし一部の人は、突然降って湧いた新型肺炎を利用して中国を中傷している。海外の一部のメディアは、中国が多くの貢献と犠牲を払っていることを無視し、いわゆる「中国恐怖症」によるでっち上げをしている。さらにいくつかの国は、感染拡大にかこつけて政治的にもてあそび、中国に必要以上の制限措置を実施している。これに対して国際社会は強烈な反論を加えている。

「感染拡大への対処における国際社会の最大の敵は、新型コロナウイルスではなく、人々の間に対立を生む汚名を着せることだ。デマとウソの情報は、国際社会が感染拡大に対して正しい対処をする際の障害となる」。テドロス事務局長は、さまざまな場でこうした誤ったうわさの危険性を指摘した。

世界でトップレベルの公衆衛生科学の専門家27人は2月18日、医学誌『ランセット』に共同声明を発表し、「今回の新型コロナウイルスによる感染症は、自然起源のものではないとする陰謀説」を強く非難した。また、このような陰謀論は「恐怖とデマ、偏見を巻き起こし、感染防止の活動に害を与えること以外、全く役に立たない」と主張した。

国連のアントニオグテーレス事務総長も中国を支持する声明を発表し、こうしたデマの広がりは新たな「思想ウイルス」をまき散らすものだと述べた。また、人類は地球村に暮らしており、世界各国は共に同じ空気を吸い同じ運命にある。共に手を携え感染拡大を予防抑制することで、各国の人々のためにしっかりとした感染防止の防御壁を築き、それによって多くの人の貴重な生命を救うことが必要だ――とした。

共に感染に立ち向かおう

感染の広がりの中にいる中国在留の外国人を守るため、中国政府は武漢に対して封鎖隔離措置を取るとともに、武漢にいる外国籍の人々がスムーズに自国に戻れるよう積極的に協力している。しかし、武漢に暮らす多くの外国人は帰国のチャンスを投げ打ち、武漢と苦労を共にする道を選んだ。

フランスの総合診療医フィリップクラインさんは、武漢の協和病院国際外来診察部の医師だ。武漢からチャーター機で帰国する妻子を見送った後、彼は決然と引き続き残る道を選んだ。これは決して一時的な「英雄主義」に駆られたからではなく、よくよく考えた末の選択だった。「フランスより武漢にいた方が私は役に立ちますよ。武漢の人は尊敬と善意を持って私を受け入れてくれました。ここに残ることは、私が引き続き彼らを支援する最良のやり方です」とクラインさんは言った。家族たちは彼の決定を支持し、それを誇りに感じている。

ドイツ人のディモーさん(45)は、武漢大学の国家重要実験室の専門家だ。彼と家族は武漢に住んで12年になり、武漢はもう第二の古里のようだ。武漢が実施した封鎖措置について、ディモーさんは理解と支持を示した。「これは間違いなく大胆な措置です。しかし、確かに良い効果を上げています。こうした未曽有の試みは全世界から尊重されるべきです」。ディモーさんは毎日、ネットで生活必需品を購入する。毎日、リスクを冒して品物を届けてくれる人を見る時、彼と家族たちは心が温かくなる。ディモーさんは言う。中国政府はずっと武漢の外国人の安全を重視しており、特別に24時間体制の救援ホットラインを開いてくれた。彼は、武漢の人々が力を合わせて困難を乗り越えられると確信している。「人々は皆、武漢人は勇敢で不屈だと言います。だから私たちは、武漢でどうやって闘っているのかを見せましょう」

イラン人のシーナカラミさん(29)は、いろいろ思い悩んだ末、武漢に残ると決めた。「武漢で暮らして数年、私の中国人の同僚と友人はもう私の家族です。だから残りたいと思いました。彼らのため、この町のために何かしたいのです」。カラミさんはコーヒーショップで働いている。彼と仲間たちは、多忙で疲れている最前線の医療スタッフに元気を出してもらおうと、無償でコーヒーを配ることにした。感染が拡大してから今まで、カラミさんと仲間たちは、武漢の医療スタッフに1万杯にも上るコーヒーを無償で提供している。

カラミさんには忘れられない出来事がある。「あれは1月末のある夜のことです。私の家の向かいの団地から突然、『誰かいるか?』と大声で叫ぶのが聞こえたのです。すると、どこからともなく、『いるぞ!』という返事が聞こえてきました。そして最初の人が『頑張れ武漢!』と叫び始めると、周りから多くの声がそれに呼応し、『頑張れ武漢!』という声が鳴り響いていきました。この時、私は思わず泣き出してしまいました。今が一番、この町を愛しています」

嶋田孝治さん(73)は武漢でカレー店「頂屋」を経営している。店は繁盛しており、皆は親しみを込めて嶋田さんを「嶋爺」と呼ぶ。武漢に暮らして10年。嶋田さんはこの町に深い愛着を抱いている。感染が拡大してから、多くの人が嶋田さんに帰国するよう勧めたが、彼は全て断った。「いま私は安全で幸せです。何年にもわたって私は自分を武漢人だと思ってきました。私は武漢人と一緒にいたいのです。うれしい時も悲しい時も、常に武漢人と共に過ごしたいのです」

ウイルスは非情、町には人情

新型肺炎が発生して以来、国際社会は中国に大量の医療防護物資を寄付しただけでなく、さまざまな形で武漢を、そして中国を元気付け励ました。

ベルギーの有名なピアニストのジャン=フランソワマルジャン氏は、中国のために歌曲『黎明の鐘の音』を作曲した。音楽で中国を勇気付けようというものだ。イスラエルの人々は、エルサレム旧市街にある神聖な「嘆きの壁」の下で、中国へ祈りをささげた。ロシアのあるEコマース企業では、1000人に上る従業員が声を合わせ、中国語で「中国頑張れ!中国はロシアと一緒だ」と声援を送った。さらに集団で手を使ってハートマークを作り、数えきれないほどの人々の心を温かくした。

国際社会から寄せられた多くの心温まるエールの中で、最も中国人が感動したのは、日本からの援助だ。相通じる文化、似通った感受性により、日本の各界からの支援には互いに助け合う気持ちがより多く込められていた。早くは1月23日の衆議院本会議において、安倍首相が日本国内でのウイルス拡大防止の強化を指示した際、同時に中国の感染拡大防止についても全力で支持することを表明した。日本から寄贈された100万枚のマスクは1月25日未明、四川省成都市に届けられた。これは海外からの支援物資の第1弾だった。日本の各地方自治体からも次々に義援金や援助物資が送られ、中には防災用に備蓄していたマスクを寄付してきた町も少なくなかった。

松山バレエ団は、団員たちが中国の国歌『義勇軍行進曲』を合唱した応援動画を作成した。この動画はウイーチャットで広く伝わり、出演者たちの真摯な歌声に億万の中国人が感動した。また14歳の日本の少女は、中国の旗袍(中国の民族衣装の一つ)を着て、募金箱を抱えて日本人に武漢の新型肺炎の感染拡大防止への寄付を呼び掛けた。この写真は多くの人から賛同を得た。

「隣人に何かあった場合、支援するのは当然のことだ」。自民党の二階俊博幹事長が隣人という言葉を口にしたその瞬間、両国の人々の心はぐんと近づいた。

国際社会から差し伸べられる支援に応えて、外交部(外務省に相当)の華春瑩報道官はこう語った。「私たちは、各国の人々から中国に寄せられた同情と理解、支持に心から感謝し、これを胸に刻んでいます。ウイルスは非情ですが、人には人情があります。感染の拡大は一時的なものですが、友情は永遠に続くものです」

日本が新型肺炎の感染拡大のリスクに直面した時、中国側は同様に直ちに援助と支持を表明し、日本へ新型コロナウイルスの検査試薬キットを緊急に寄贈した。また外交部の耿爽報道官は、「現在、中国人は日本国内の感染状況について気にかけており、わが事として感じている。『投我以木桃,報之以瓊瑶』(相手から受けた恩義に対して恩返しをする意味)と言うように、中国側は、日本側にできる限り全ての支持と支援を提供していく」と強調した。

中国にはこういう古い言葉がある。「一滴の水の恩に、湧き出る泉をもって報いる」。中国がウイルスの襲来で苦境に陥った時、世界各地から寄せられた思いやりの気持ちは、燃え上がる炎のように一つとなった。そして14億の中国人の心にぬくもりを与えた。またそれだけでなく、引き続いて世界各国の人々と手を取り力を合わせ、感染症と徹底的に闘うよう中国人を鼓舞してくれたのだ。(段非平=文)

人民中国インターネット版 2020330

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