17回党大会で胡錦涛総書記が強調
民生重視に力を入れる

春節(旧正月)は、中国人にとっては、一家の者がみな集まって、行く年を送り、新しい年を迎える祭日である。春節の元日の早朝、胡錦涛総書記は、毎年のように旱魃に見舞われる甘粛省定西市の大坪村にやってきた。そして農家に入り、作柄を尋ね、水がめをのぞき、穀物庫を視察した。さらにみんなといっしょに食事の準備をしながら、その地の子どもたちの就学状況を詳しく尋ねた。胡錦涛総書記は、土地に適した作物を植え、特色ある農業を発展させて貧困を抜け出すよう励まし、政府もそれを大いに支持すると述べた。

同様に、温家宝総理も春節期間中、遼寧省撫順市のバラック住宅地区を訪ね、居住条件の劣悪な市民の家の中で、大衆の実際生活の困難やその地の危険住宅の改造の進展状況を現場で知ることができた。新年の初めから国家の指導者たちが大衆の家を訪れて新年の挨拶をしたことは、すぐにニュースメディアによって大量に報道された。あるメディアは、中国は「民生社会」の時代を迎えようとしている、と評した。

民生問題がますます人々の関心を集めている所以は、改革・開放と市場経済が絶えず深く発展することによって、中国の総合的な国力が急速に高まる成果を達成したが、それと同時に、一部の社会的矛盾も顕在化してきたからである。例えば、貧富の格差の拡大や社会保障システムが相対的に立ち遅れているなどの問題であり、これらはみな社会の不安定要素をつくりだし、中国の長期的で健全な発展の大局に影響を与える。

このため、農村では、中国政府は2006年に農業税の撤廃を宣言し、さらに今年は、全国の農村地区にある小中学校の児童・生徒の授業料と雑費を免除した。この二つの措置によって、国家財政は今年から少なくとも九百五十億元の減収になるが、農民は実益を得た。湖北省大冶市の農民、張彩蘭さんはうれしそうにこう言った。

「我が家は毎年、農業で2000余元の収入がありました。農業税が取り消されたので、毎年、家の支出は300元少なくなりました。これはちょうど子どもの一年の学費です。いままた、学校の費用も免除されました。これは『二重の喜び』でなくてなんでしょうか」

農民を喜ばせたのは、こればかりではない。現在、各地で実施されている「社会主義新農村の建設」政策も、一歩一歩、農民の生産と生活条件を改善しつつある。

都市では、政府は最低生活保障の充実と個人所得税の改定を通じて、貧富の格差の矛盾を緩和した。販売価格が比較的安い住宅を建設し、廉価な貸し部屋を普及することによって、逐次、中、低所得の家庭の住宅の困窮を解決している。また新たな医療保険制度を制定し、社区(コミュニティー)の医療機関を発展させて、市民の医療問題を解決した。現在、中国は、分配制度を改革し、一歩一歩、収入の格差拡大の状況を逆転させつつある。

こうしたことから分かるように、中国政府は民生問題を非常に重視しており、一連の政策を通じて、社会全体が均衡のとれた発展をするよう努力している。しかし中国は国土が広く、国際基準に照らせば、貧困人口はなお1億7300万人もいる。これに加えて、経済体制改革がまだ完全にはできていない。このため、中国がさまざまな社会発展の問題を解決するには、なお時間が必要である。

2004年9月、胡錦涛総書記は正式に「社会主義の調和のとれた社会を構築する」という理念を提起した。それについて胡錦涛総書記は「われわれが建設する社会主義の調和のとれた社会は、民主的で法により治められ、公平で正しく、信用を守り、友愛に満ち、活力に溢れ、安定して秩序があり、人間と自然が調和を保ちながら共存する社会でなければならない」と説明している。

3年間の実践を経て、この理念は、中国の国情に合致し、当面する時代の要求に適応し、これによって全人民が社会の進歩による成果をともに享受するものであることが公認された。

17回党大会で胡錦涛総書記は、中国共産党が刻苦奮闘し、仕事をするのはすべて、人民を幸せにするためである、と強調した。このため、もっとも広範な人民の根本的利益から出発しているかどうか、また人民が満足しているかどうかが、現在と将来の、党と政府のすべての仕事を検証する重要な基準になった。これによって、中国共産党が提起している「発展は人民のためであり、発展は人民に依拠し、発展の成果は人民がともに享受する」という全面的な要求は、その保証を得たのである。

人民中国インターネット版 2007/10/18

 
 
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