エンターテインメント&ブック
映画 『情人結』(原題『無限のシェークスピア』)

監督・霍建起 出演・陸毅、趙薇  バレンタインデーに中国で初公開

 

 映画『情人結』は、1980年代の中国のあるラブストーリー。侯嘉と屈然は思春期のころ、ひそかに惹かれあっていた。しかし両家の間のいざこざが、2人の愛の大きな障害となっていた。ある時、何とはなしにシェークスピアの戯曲『ロミオとジュリエット』を見た2人は、再び彼らの愛に希望を見出したのだった……。

 この映画は、『那山那人那狗』(邦題『山の郵便配達』)の霍建起監督いわく、初めての商業映画。以前の映画と同じように映像の美しさを追求しているが、しかし劇中に描かれた葛藤がより観客を引きつけるものになっている。

 映画の2人の主人公、趙薇(ヴィッキー・チャオ)と陸毅は人気が高く、いつもファンの注目が集まっている。この映画の撮影プロセスにおいては、多くの苦労もあったようだ。夜のシーンを撮るときに、黄葉がひらひらと舞うロマンチックなカットの効果を高めるために、趙薇は3時間以上も大型の扇風機に吹かれていた。その後、風邪をひいてしまい、声がかすれて、バリトンのような発声になってしまった。また、そんな彼女が鼻をかんだティッシュペーパーを捨てられるように、マネージャーがいつもゴミ袋を持ち歩いていた。

 映画の「ロミオ」陸毅は、撮影現場で「生死のスピード」――列車との競走を体験した。陸毅が趙薇に会いたいという一心を表現するために、監督は陸毅に列車が走りすぎる前に、レールをすばやく横切ること、という要求を出した。安全を守るため、駅には十数人の鉄道関係者や作業員が派遣され、現場の秩序維持にあたった。霍建起監督は完璧な美を追求するため、このシーンの撮影を7、8回は繰り返した。幸いにも陸毅はいずれも順調にこのシーンを撮り終えたという。

霍建起監督の作品
『贏家』(1996)、『那山那人那狗』(1999)、『藍色愛情』(2001)、『生活秀』(2002、邦題『ションヤンの酒家』)、『暖』(2004、邦題『故郷の香り』)、『情人結』(2005)



テレビドラマ 『康定情歌』


ディレクター・王小列 出演・陶紅、胡軍、スーチン・ガオワー
草原のラブストーリーを描いた 中央テレビの人気ドラマ


 

 20世紀初め、茶馬古道の木雅という村落。貴族の少女・カンチュと遊牧民の青年・ロサンは互いに愛し合っていた。身分の違いは、ロサンにカンチュと別れることが最良の愛だと気づかせる。しかし、カンチュはすべてを捨てて彼の愛についていこうと願うのだった。2人は数々の困難に立ち向かうのだが、ついに結ばれることはなかった。ただ、今も知られる民謡の『康定情歌』だけを残して……。

 この作品は、広く伝わる『康定情歌』をもとにして、四川省・康定草原で繰り広げられる数奇な物語をフィクションで描いたものだ(全32回)。高くそびえる山々や広々とした草原、家族間のこみいった事情、康巴地区独特の歴史文化、それらがいずれもこの作品に多くの色彩を与えている。

 このほか特筆すべきなのは Aスタッフの一員に著名デザイナー・葉錦添氏が招かれて、服飾デザインを担当したこと。主な配役たちの服飾をデザインし、チベット族の伝統色を残しながら、現代的な雰囲気を加えている。全編にわたり唯美な風格を作り出したのである。(写真提供・新浪娯楽)


推薦書
毛丹青・著 『狂走日本』(日本を歩く)

 

 海外旅行の人気が高まるにつれて、多くの中国人が日本観光に訪れている。彼らは日本の美しい景色を楽しむとともに、日本の事情もよく知りたいと願っている。そうしたなか、在日中国人作家の毛丹青氏が中国で『狂走日本』を正式出版した。本書は早くもベストセラー入りを果たして、注目を集めている。

 作者が日本での生活や旅行を通して、感じたことをまとめたエッセイ集だ。その巧みな筆致によって、現代的かつ古い文化を持つ日本社会を表現している。第1部では、作者が外国人として日本で体験した特徴的なことがらを描いている。たとえば、FLASHMOB(不特定多数がインターネットなどを通じて決められた時間、場所に集まり、特定目的のデモなどを行う新しい文化様式)、「団塊」の世代、歌舞伎役者など。第2部では、京都や和歌山などの地を旅した作者の印象を描いている。豊かな日本文化の味わいが、第2部のテーマとなっている。さらに、作者が日本語で文学を創作するときの思いが付記されている。

 その文章は流麗であり、美しい。掲載された多くの写真も本書のポイント。本書のために、2、30人のカメラマンが写真を提供しているという。レンズから写し出された、そのままの美しい日本が読者に披露されるのである。(上海文芸出版社)


呉冠中・著 『我負丹青――呉冠中自伝』(絵画に背いた)

 

 呉冠中は、雅号を「茶」という。国際画壇に「20世紀現代中国画を代表する画家」と認められている。「油絵の中国化」「中国画の現代化」の追究に、その生涯を注いでいる。国内十数カ所の主要都市で個展が開かれたのをはじめ、アメリカのデトロイト博物館、イギリスの大英博物館、パリの市立博物館、日本の西武美術館などで展覧会が行われている。

 1990年には、フランス政府最高の文芸勲章を授章。2002年3月には、フランス学院のアカデミー会員になった。89年、香港のオークションで、彼の作品『高昌古城』が187万香港ドル(1香港ドルは約14円)で取り引きされた。当時、在世する中国人画家の作品としては、オークションの最高額を記録したのだ。

 本書では、80余歳の呉冠中が、正直なまでに自分の不遇であった芸術人生を振り返っている。また、林風眠、潘玉良、潘天寿、徐悲鴻ら著名な画家の真実の歴史を描いている。全体は3部に分かれていて、第1部では、自らの思想の成長、発展、移り変わりなどを記録し、芸術人生を貫くなかでの家庭や生活、仕事などにふれている。第2部では、生活観、文芸観など多方面にわたる歴年の散文や雑感を収めている。そのうちのほとんどが当時の情勢について発表したものであり、大きな反響をまきおこしたのであった。第3部は年表だ。

 また本書には、呉冠中の代表作30余りと、スナップ写真70枚余りが収められている。大部分が初めて公開されるものだ。

 「絵画に背いた! 絵画が背いた!」。呉冠中は、その好き嫌いのハッキリした気質、包み隠さずに話す誠実さ、感情豊かな筆致をもって、ある芸術家の真実の人生を詳述している。(人民文学出版社)


洪燭、李陽泉・著 『北京A toZ――26個字母里的城市体験』
(北京AからZまで――アルファベット26文字のなかの都市体験)

 

 アルファベットの26文字で、北京のもっとも特色のある言葉や由来を分類し、解説している。読者は新しくも気楽な読書方法によって、北京の歴史や現代を体得できる。たとえば、愛新覚羅(清代皇族の姓)、安定門、奥運村(オリンピック選手村)。Aからはじまる3つの言葉をともに置いているが、それはまるで辞書のような味わいがある。また、説明や解説のなかには、作者のこの文化古城についての理解や体験が見てとれる。

 北京に関する物語集として読むこともできる。「ここでは、大人物、小人物、老王府(皇族の邸宅)、新建築、はるかな青山、近代の発達した交通……それらが平等に並列している。読書とともに、ある種、錯乱した感じの後に心のいやしが得られるだろう」と作者は語っている。(当代中国出版社)

『人民中国』おすすめのベストテン

1.『潜 流』 楽山・編集 華東師範大学出版社

2.『我的禅』 衛慧・著 上海文芸出版社

3.『望七了』 傅聡・著 天津社会科学出版社

4.『群英薈萃――公元220年至316年的中国故事』顧承甫、劉精誠・著 上海文芸出版社

5.『納西(ナシ)象形文字』 李錫・主編 雲南人民出版社

6.『中国観鳥指南』 韓聯憲、楊亜非・著 雲南教育出版社

7.『白棉花』          莫言・著 民族出版社

8.『中国思想通俗講話』 銭穆・著 読書・生活・新知 三聯書店

9.『故宮史話』   単士元・著 新世紀出版社

10.『戦後日本文化与戦争認知研究』 劉炳范・著 中国社会科学出版社


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