宋·鷺鳥紋蠟染褶裙

1987年に貴州省平壩県で出土。長さ62.5センチ。貴州省博物館蔵。

 今風に言えば、これはプリーツスカートである。天真らんまんな娘さんがこのろうけつ染めのスカートをはいて楽しく踊る姿は、きっと人びとの心を打つことだろう。

 1987年に、貴州省平壩(へいは)県にある宋墓で発見されているが、この種のスカートの出土は全国でこれが初めて。長さ62.5センチ。

 ろうけつ染めの作り方はまず、白布やシルクの上に溶かしたろうで各種の文様を描いたあと、藍色顔料の入ったかあのなかに入れておく。それから熱湯で煮てろうを落とすが、この時に美しい文様が浮き出てくるのである。

 ろうけつ染めが最も早く広まったのは、中国西南や西北の少数民族の居住地区。新疆ウイグル自治区の後漢墓からは、藍の地に白模様のある綿布が三枚見つかっている。

 手工芸としてのろうけつ染めは今でも盛んであり、民間工芸品としてよく目にすることができる。

 このスカートの文様は横並びである。上部は簡略化されたサギ、真ん中の部分は流れるような線とうず巻き状の文様から成っている。下部の主体は曲線の文様、そして藤のつるが対称的に連続して排列されている。このスカートをはき、どんな動きをとったとしても、座っても、また立っても、文様の美しさとその完全性が失われることはない。

 色調は赤味がかった藍色が主。それに白色、オレンジ色、薄藍色などの文様が配され、素朴で美しく、民間の息吹に富んでいる。また下部には刺しゅうが施されており、一層美しさを際立たせている。(文·写真 王露)

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