魏晋·銅亀

長さ38.5センチ、幅18.5センチ、高さ15センチ。87年甘粛省敦煌県の七里墩で出土。甘粛省博物館蔵。

 亀の起源は、一説では二億五千万年前の二畳紀にいた、堅背竜が祖先で、肋骨がとくに幅広く、亀の甲羅に似ている。一説ではヨーロッパの三畳紀にいた三畳亀がいま分かる最古の亀·スッポンの類である。亀は体内器官の移動を利用して呼吸するので、災難から逃れ、今まで生きつづけた。

 中国では、亀はつねに神秘で高度の象徴的意義を持つ動物で、今なお「亀には天地の秘密が隠されている」という見方がある。人びとは亀の甲羅を宇宙の縮図と見なしたので、商の時代、亀甲で占いをした。亀は竜、鳳凰(ほうおう)、麒麟(きりん)と共に「四霊」と並び称され、神様の物、めでたい物だった。その応用範囲は広く、飼育、鑑賞の他に絵、文房具、家具、建築物の装飾などのいずれにも見られる。また亀は長寿の象徴なので、「鶴算」と結びつけて「亀齢鶴算」と称し、長寿を祝う言葉にした。亀は不朽とか堅実をも象徴したので、墓碑はつねに亀で飾り、古代皇帝の手書きの文や聖旨を刻んだ石碑は亀がこれを背負っている。

 ここに紹介する銅亀は、ずんぐりし、頭を上げて首をのばし、視線は水平、口をややあけ、前足はやや短く、後足を踏んばり、はって進む形だ。この墓から共に出土した四個の銅亀は、柩の四隅を下から支えている。これに似た情況は甘粛省武威、雷台の漢代の墓にも見られ、柩の四隅を四枚の亀形の石板が支えている。

 しかし、中国で亀は時には人を罵る時に使われ、臆病者のことを「縮頭亀」と言ってからかい、近代でもよく使われた。一方、古代でも亀の「縮める」特性を積極的に解釈して、「亀蔵六(六は頭·尾·四肢)」「亀蔵」と称し、過失を防ぐために頭を出さないことにたとえた場合もある。時にはほめ、時にはけなす、ここに中国の伝統文化の一斑が見られる。(写真·王露 文·古徳柏)

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