交流を数倍にしよう
                                    

  今後の中日関係の発展について、私は「慎重な楽観」という見方をしている。

 「中日の戦略的互恵関係」を本当に実現させるためには、両国は大きな努力をしなければならない。とくに戦略的互恵の原則に照らして、重大で敏感な問題を含む中日間の具体的な問題を一つ一つ処理しなければならない。これによって戦略的互恵関係を打ち立てるという双方の誠意を証明する試金石としなければならない。

 日本人も中国人もともに事実を重んじ、事実をもって戦略的互恵関係を打ち立てるという両国政府の誠意を証明し、両国人民が「戦略的互恵関係は空論に過ぎない」と感じるようなことは避けなければならない。

 多くの人が、中日両国は人の往来と交流を拡大しなければならない、と提案している。しかし私の見るところ、両国関係を真に改善するためには、普通の「交流の拡大」でははるかに足りない。交流は数倍に拡大しなければならない。

 大幅な拡大の中には、各領域、各業界の人々の交流が含まれ、また旅行、留学、修学旅行、中高生の相互訪問、大学生の交流、学者の交流、メディアの交流、文化・芸術の交流、タレントの相互訪問などが含まれる。とくに軍事の領域での人の交流を重視し、軍民参加型の艦隊の相互訪問を実現する必要がある。

 中国にとっては、対日交流の大幅な拡大は、一部の民衆が日本に対して感情的になる傾向を克服する助けとなり、国内の安定にも役立つ。2002年に行なわれた世論調査では、日本と交流したり、日本に住んだことのある人の約60%が、日本に対し「親近感」を持ち、そうした経験のない人で日本に「親近感」を持つ人は約6%にすぎなかった。60%と6%の差は、両国人民の交流の強化が、両国人民の相互理解の改善と両国関係の改善にとって重要な意義を持つことを十分に説明している。 (馮昭奎=文)


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