いま、大切なことは
                                    

 日本側は誰もが、中日関係を良い方向に変えて行かなければならない、と思っており、おそらく公然とこれに反対する人はいないだろう。しかし依然として、日本政界の要人の中には、一部の難しい問題を絶えず提起する人がいる。しかもその問題提起は、あまり理にかなっていない。例えば中川昭一自民党政調会長の「日本はまもなく中国の第32番目の省になってしまう」という発言がそれである。

 中日関係の発展は、政治的に、両国の指導者がしっかりと進む方向を定め、決してバックさせてはならないし、Uターンさせてもならない。必ず前へ進むことが必要であり、速いか遅いかは二の次の問題だ。最近6、7年、小泉内閣の時期は後退期であった。

 両国総理の相互訪問で、いま、中日関係は下り坂から上り坂に転換しようとしている。この過程で、運転している両国の指導者は、いっそう慎重でなければならない。なぜなら、車が坂を上るときは、いっそううまく運転しなければならないからだ。どんなに性能の良い車でも、エンジンを止めず、アクセルを適当に踏み、適切なギアを選択して、注意深く運転しなければならない。

 「氷はすでに割られた。それなら我々はどうすべきか」と中曽根康弘元首相は言った。私の答えはこうだ。「『中日友好丸』は前に向かって航海していかなければならない。進む方向は正しく、しかも慎重に。船には中日の共同の利益が載っている」 (全国政治協商会議外事委員会副主任 趙啓正)


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