6カ国協議の攻防を振り返る 評論

 

第4回6カ国協議は13日間にわたる協議を終えたが、各方面から期待されていた共同文書は今までのところできていない。今回の6カ国協議の第一段階の成果を、どのように評価すればいいだろうか?実際のところ、関係各方面は、相互尊重と平等な話し合いの精神に基づき、できる限り冷静に、この複雑かつ敏感で微妙な、注目の集まる問題に取り組み、連続して13日間にわたり、真剣かつ実務的で踏み込んだ議論を行った。このこと自体が得がたい成果なのは間違いない。現在の世界で注目を集める問題を思い浮かべてみると、関係者すべてが落ち着いてよく話し合うという状況がめったにない中で、6カ国協議そのこと自体が前向きな兆しでなくて、何であろうか。目標が明確になり、懸案が話し合いによって明らかになり、問題点がまとめられ、理解がより深まり、共通認識が広がり、話し合いの土台となる文書の草案もある。6カ国協議のシステムそのものが再び試練を経験してさらに実務的かつ成熟した。これが貴重な発展ではないでしょうか?

しかしながら、今回の6カ国協議ではこれまでのところ、期待された共同文書について結局合意に至らなかった。朝鮮半島の核問題解決の「山頂」は見えたが、最もよじ登るのが難しい山道がまだある。関係者は、共同文書が今のところできていない理由についてそれぞれに述べている。しかし結局のところ、主要な当事者である朝鮮と米国の間に十分な信頼が欠けていたため、朝鮮半島の非核化の定義や非核化を実施する手順といった重要な問題で互いに一歩も引かない事態となった。

近年、世界の核問題は常に込み入っている。だからこそ、朝鮮半島の非核化を対話を通じて実現するという使命を帯びた6カ国協議の取り組みは、殊のほか注目を集めている。人類社会の根本的な利益を考えれば、対話は戦争よりも常に望ましい。第4回6カ国協議の休会は、調整して詳しく検証し、また英気を養うためでもある。しかし、共同文書に署名するかどうかが、今回の6カ国協議の成否を判断する基準にはならない。休会後に改めて集まる次の協議では、関係者が善良な政治的意思と決断をもって、東アジアと世界の人々の本質的な利益のために、積極的な成果を得られるよう期待が集まっている。

                      「人民網日本語版」2005年8月9日