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中国はオリンピックの北京開催をなぜ望むのか。 ――オリンピックを北京で開催することができれば、どのような意義があるのでしょうか。 国際オリンピック運動のマイル・ストーン(里程標)となるでしょう。 1894年にオリンピックが始まってからこれまでに、オリンピック運動は世界に広がって来ました。しかし世界最大の人口を持ち、世界人口の約5分の1を占める中国で五輪が開催されれば、オリンピック運動はさらに大きく広がることができます。 ――これまでの五輪は、欧米中心で、先進国がほとんどでしたね。 過去に開かれた五輪は、米国の五回をはじめ欧州やオセアニアが多く、アジアで開かれたのは東京とソウルの二回だけです。しかも中国は、世界最大の発展途上国で、もし北京でオリンピックが開催されれば、先進国ばかりでなく途上国でも五輪が開催できることが証明され、世界の途上国の人々に勇気と自信を与えることができます。これまでのように、少数の先進国クラブの五輪独占が打破され、より多くの国々に五輪開催のチャンスが拡大するでしょう。 ――北京の他にも、パリ、大阪、トロント、イスタンブールが名乗りをあげていますが。 パリはこれまで二回も開催され、日本やカナダでも開催されました。イスタンブールと北京は初めてですが、人口を比べてみて下さい。 それに中国はスポーツ大国です。中国は1980年にオリンピック参加の正当な権利を回復して以来、五回の夏のオリンピックに参加してきました。これまでに獲得した金メダルの数は世界第三位になり、さきのシドニー五輪でも28個の金メダルを獲得しました。 ――北京招致実現のために、これから努力すべき点は何でしょう。 今回から国際オリンピック委員会(IOC)の規則が改正され、IOCの委員が開催候補地を自由に参観することも、招致委員会がIOC委員と自由に接触することもできなくなりました。IOC委員のうちパリに行ったことがある人は90%もいますが、北京に来たことがある委員は40%にすぎません。国際的なメディアの報道も、北京については十分でなく、国際的な理解がまだ足りないと思っています。 ――勝算はありますか。万が一、またも失敗するようなことがあったら、それでも再び招致を申請するつもりでしょうか。 モスクワで開かれる招致決定の最後の決戦を前に、「上陣不言敗」(戦いに臨んで敗北を口にしない)といった心境です。しかし、中国がオリンピック精神を追求する姿勢は真剣であり、純粋です。 かつて中国には「三つの何時」がありました。何時になったら中国の選手がオリンピックに参加できるのか、何時になったら金メダルを獲得できるのか、何時になったらオリンピックを開催できるのか、です。 三つの願いのうち一つは、1932年、中国の劉長春選手が五輪に初めて参加して実現しました。二つ目は、1984年、許海峰選手が金メダルを獲得して達成されました。いよいよ三つ目の夢の実現です。その願いは深く、永遠です。もちろん実際に招致を申請するかどうかは、さまざまな要素を勘案しなければなりませんが……。 |