『激情時尚:70年代中国人的
芸術与生活』 蕭悟了・著
 
 

 紹介されている70年代とは、およそ1970年から76年の文化大革命の期間を指している。この時代の中国人の芸術創作と、当時の政治背景は緊密に関係していて、主要テーマも、知識青年が農村で社会主義建設活動に参加した様子や、「農業は大寨に学ぼう」というスローガン、革命的模範劇、裸足の医者といった、当時特有の社会現象である。芸術形式は、版画、中国画、油絵が中心で、どの作品も、濃い時代的特徴を備えていて、現在に生きる人にとっては、宣伝用美術に見える。

 70年代に創作された作品群から、当時を回顧したくなる読後感が残る。そのため本書は、その時代を生きてきた多くの世代の人には共鳴するものがあり、広く注目を集めた。 (山東画報出版社)