『新聞週刊』 市民による金取引

 

 中国人にとって、いつの時代も、金は価値のあるものだった。しかし、数十年続いた金管理制度のために、いまの中国人には、金の延べ棒などの空虚な概念だけがあった。

 2002年10月、中国の金取引市場が正式に開放された。それを受け、昨年末から北京、上海、成都などの数都市では、ほとんど同時に金の延べ棒がショーケースに並ぶようになった。人々は、子どもや孫への新年の贈り物として目星をつけ、また、金と関連する各種の競売も各地で行われるようになった。

 同時に、金がふたたび民間に帰ったのを受け、中国人の「金投資の夢」も大きくなってきている。上海金取引所の成立にともない、各商業銀行は、個人金取り引き業務の準備を開始し、すべての金産業の局面に大きな変化が生じた。こんな環境変化を受け、新たな『金管理条例』の制定準備も進められていて、発布前にも、中央銀行は、臨機応変に市場を誘導していくことになる。