吉林省農村部で養老院の多機能化進む、
文化・娯楽や医療などを重視


 吉林省の農村部で養老院の多機能化が進んでいる。これまでは食住や葬儀を保証するだけだったが、徐々に福祉重視型に変わってきたことから、自費で入所する町のお年寄りも増えてきた。

 同省楡樹市郊外の農村部にある社会福利サービスセンター。敷地面積は約1万5000平方キロ、面積2000平方メートル余りの施設には160床のベッドがあり、町から自費で移り住んだお年寄りが20人ほど、都市・農村部の独居老人16人がここで生活している。スポーツや文化・娯楽活動でお年寄りは"若さで一杯"だ。笑い声のなかに晩年の生活への満足した幸せが感じられる。

 吉林省民政庁の朱克民庁長は「社会・経済の発展に伴い、農村部にある食住や葬儀を保証するだけの従来型の養老院ではニーズを満たせなくなったため、省は様々な措置を講じてコミュニティー・サービス業を積極的に発展させてきた。養老院を文化活動や医療・保健、結婚相手の紹介など内容の充実した社会福祉センターに育て、お年寄りたちのために機能が多様化した"大家庭"を築いていく」と語る。

 同省の2002年の「五保」(5項目保障制度・働く力がなく身寄りのない人に対して衣・食・住宅・医療・葬儀を保障する)関連経費は1億3000万元。全項目対象者は2万5000人、一部対象者は3万9000人を数える。農村部で社会福祉センターの建設が始まったのは1999年からで、2002年末までに32ヵ所から124ヵ所に急増。また専門資金5400万元を計上して、老朽化した298ヵ所の養老院を改修したことで、「五保」対象のお年寄りの居住条件は大幅に改善された。

 朱庁長は「省は今年、農村部での社会福祉センターの建設に関する実施意見を提起して、財政支援を強化していく計画だ。今後は建設の指導方針や発展目標、管理体制、サービス機能、建設基準などの指標をさらに明確にして、センターの適正化と標準化を促進し、都市・農村部の幅広いお年寄りに温かで健康的な"多機能な家庭"を提供していく」と強調した。
(「チャイナネット」より)2003/3/31