先ごろ開かれた「全国農業科学技術教育工作会議」で科学部の李学勇副部長は「今回の会議は『全国農業科学技術年』にふさわしい新たな実務的な意義をもつ会議となった。それを具体化するため科学技術部は今後、科学技術事業で農業関連を最優先にしていくことを決定したが、こうすることで、科学技術がもつ農業分野での主導的、原動力的な役割を真に発揮させることができる。最近の党組織拡大会議では、農業関連事業をいかに展開して、農業や農村、農民、いくらかゆとりのある社会を全面的に建設する目標に役立つよう支援していくかについて検討した」と強調した。
李副部長はまず「いくらかゆとりのある社会を全面的に建設する重点、また難点は農村にあるが、潜在力も農村にある。農業という劣勢な産業、農民という劣勢な集団を、優勢な産業、優勢な集団に変えることができさえすれば、科学技術の主導的、原動力的な役割を発揮させることができる。仮に農民がモノクロテレビをカラーテレビに交換できれば、どれほどの経済成長が期待できるだろうか」と指摘した上で、工業化と産業化を念頭に置きながら農業と農村の発展に向けた問題を解決していくよう呼びかけた。
李副部長のこの新たな考えは「農業、農村事業を最優先にする」と語った中で「3つの観点」として具体的に示され、出席者の賛同を得た。李副部長はいくらかゆとりのある社会を全面的に建設する壮大な目標に関して(1)「三農」(農業・農村・農民)への関心を戦略的な政策として位置づける(2)工業化路線を「三農」問題解決の新たな方法とする(3)農業、農村事業に対する要求をさらに高める――との3点を指摘した。
科学技術事業に存在する一部の問題について、李副部長は「過去、われわれは単独で技術やプロジェクトを捉えようとし、それらを捉ええさえすれば問題は解決できると考えていたところがある。実際、農業を発展させるには単独の技術力では無理であり、農業と工業を連動させ、農村部と都市部を連動させ、国内の発展と世界を連動させることが必要だ。農業を優勢な産業にするには、科学技術の付加価値を高め、開発余地の大きな農村では、目標に対処して、新たな要求を提起していかねばならない」と指摘。
さらに李副部長は「科学技術部は技術革新の強化と成果の産業化を突破口に据えることを決定した。農業関連の科学技術力や基礎研究、その基盤整備も強化していく。農業関連技術が全国に170ある国家クラスの重点実験室でより大きな比重を占めるよう期待したい。体制やメカニズム刷新の強化については、それが産業調整のなかで発揮する役割、という観点からこの問題を認識するよう促す必要がある。それには実行する政策、技術、人材、資金の集積がどうしても必要となるのは明白だ。農業関連技術への資金投入の拡大に関しては、構造の非合理性をまず取り除かねばならず、もちろん、管理運営機関とのより円滑な協力もなくてはならない」と強調した。
農業技術協力について、李副部長は「この数年、科学技術部は国の科学技術専門プロジェクトに共同参画しており、農業団地の建設や資金の投入、農業普及システムの整備など数多くの仕事をこなしてきた。今後も農業部との協力・支援のため、より多くの共同行動を展開していく。同時に、地方の科学技術庁に対しても、農業庁をより支援し、協力するよう期待したい」と述べた。
(「チャイナネット」より)2003年4月9日
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