湖北省棗陽でこのほど、実物の車馬を埋葬した車馬坑(副葬品として馬や戦車を埋めた穴)が発見された。専門家は現在「戦国時代(紀元前475〜前221年)に埋葬されたものだ」と考えている。
現場は、またの名を九連カユという。付近に大きな9つの古墳(小山のように盛り上がった墓)があるため、その名がついた。9つの古墳の距離は、端から端まで5キロにおよぶ。
現在、発掘された1号墓と2号墓が、古墳の1つにあるものだ。2つの墓はおそらく戦国時代の将軍の墓と見られる。1号墓の車馬坑は長さ52メートル、幅12メートル。33両の車と、輻(車輪を支える放射状の木)や軾(古代、車の前部に取り付けられた横木)などが完全なまでに保存されていた。また、車体の漆色や文飾もハッキリと残されていた。
ある車は馬6頭に引かせ、ある車輪は当時の規格が高かったのだろう、高さ1.3メートルにも達していた。さらに珍しいのは、実物の馬を埋葬しており、馬の白骨がよく保存されていたこと。このほか、1号古墳の周囲の墓から、銅剣、玉の腕輪、磁器の花瓶、絹織物の切れ端などが発掘された。専門家は「これまでで最もよく保存された、中国最大規模の車馬坑だ」と認めている。
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