1972年の中日国交正常化から2002年4月までに、『人民日報』に掲載された日本に関する報道から、ポイントを「人」に絞ってまとめられたのが本書である。昨年の中日国交正常化30周年に合わせて、中国語版とともに日本語版が発行された。
登場する日本人は、中日関係に大きな貢献をした政治家をはじめ、企業家、芸術家、一般市民など幅広く、松村謙三氏、田中角栄氏、大江健三郎氏、原正市氏(農業専門家)、遠山正瑛氏(砂漠緑化事業に貢献)など、400人を超える。記事数は150本、総ページ数は600ページに及ぶ大作である。
主編者の孫東民氏はあとがきの中で、「中日友好に熱心な日本人の報道は幾千もある」と書き、割愛しなければならなかった数多くの記事があった苦悩を述べている。「プラス思考報道」を旨とする『人民日報』の記事から、中日関係の歴史の一端を知ることのできる価値ある一冊である。(日本僑報社、定価・本体4600円+税)
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