中国の新指導部は対日友好政策を実行する


 七日間にわたる日本訪問の日程を終えようとしている中国の呉邦国・全国人民代表大会常務委員長は、九月十日午前、日本のNHKの取材に応じたあと、日本経済新聞社の杉田亮毅社長と会見し、中日関係の現状と前途についての彼の見方を明確に、詳しく述べた。

 呉委員長は、中日関係の現状は全体的には良好である、と考えている。彼は次のように述べた。

 両国の交流は、全面的に発展する状況を示しており、両国間の貿易額は一千億ドルを突破し、日本の対中投資総額は三百九十一億ドルに達している。また、人の往来は、のべ三百六十八万人にのぼり、友好都市は二百二十組に達している。こうした深くて幅広い関係は、その他の国々の二国間関係の中で、そう多くは見られないものであり、これは中日両国と両国人民に、真の利益をもたらしている。

 さらに呉委員長は、中日関係の前途に対して十分、自信を持っていると述べた。彼は次のように指摘した。

 中日が国交を正常化してから三十年以上経ち、両国関係はすでにしっかりした基礎を築いている。両国の経済は強い相互補完性があり、長期にわたり、競争より協力の面が大きいという状況を呈している。世界経済が不景気な状況の下で、中日の経済貿易協力は依然、急速な発展を維持している。これは双方の協力の潜在力がきわめて大きいことを示している。中日関係はまさに、先人の業績を引き継ぎ、未来への道を開く発展の時期を迎えている。

 呉委員長はまた、さらに一歩、中日関係を発展させるために、今後、次の三つの面での仕事に重点を置かなければならないと強調した。

 その第一は、高級レベルの対話を維持することである。直接、顔と顔を合わせた意見交換によって、さらに理解を深め、信頼を確立することができる。

 第二に、相互に利益のある各領域の協力や人の往来をさらに一歩強めることだ。とりわけ日本の若い世代が中国を訪問し、中国を理解することを歓迎する。

 第三に、双方の関心ある問題、とりわけ中国の民族感情にかかわる歴史問題と、中国の統一にかかわる台湾問題については、慎重に処理しなければならないことである。

 また呉委員長は、日本側に次のような明確な情報を伝達した。

 中国の新しい指導集団は、これまでと同様に対日友好政策を実行する。

 彼は、胡錦涛主席と小泉首相のサンクトペテルブルクでの会談と、呉委員長自身の今回の訪日は、中国の新しい指導部が、日本との関係の発展を重視していることを十分に示している、中国側は日本側とともに、中日共同声明と中日平和友好条約、中日共同宣言の三つの政治的文献を遵守することを基礎に、「歴史を鑑とし、未来に向かう」精神に基づいて、両国の親善友好協力のパートナーシップを不断に前進、発展させ、両国と両国人民にさらに大きな利益をもたらすために、また、アジアと世界の平和と安定のためにさらに大きく貢献することを中国側は願っている、と指摘した。

 呉委員長は、日本の記者が提起した、北京での六者協議や中国の政治・経済の体制改革、人民元の交換比率、北京―上海を結ぶ高速鉄道建設問題などについて、質問に答えた。(中国新聞社)

           人民中国インタネット版 2003/9/11