中国政府、農民の収入増を活動の最重点に


 中国の8億余りの農民は今年の初春に素晴らしいニュースを耳にしました。

 このほど、温家宝首相は中国の全人代・全国人民代表大会で行った政府活動報告で「農業、農村、農民の問題の解決は今期政府活動の重点の中の重点である」と述べ、更に「今年から、農業税を次第に減らし、5年内に完全に撤廃する」と述べています。

 そこで今日は北京放送局記者がその故郷の山西省の農村から伝えてきたリポートをお送りしましょう。

 ある農民は 「現在、毎年、平均して一人当たり、40元余りの農業税を払っています。5年後に、農業税を払う必要がなくなります。これによって、うちのような5人家族の農家では年に200元余りを節約できるようになります。」と話しました。

 農業税は農民の大きな負担の一つですが、今年、税率の引き下げによって、全国農民の70億元の負担を減らすことができます。農業税の減免は政府が農民の収入を増やす重要な措置の一つです。

 1990年代以来、農村の発展が立ち遅れ、農民の収入増は7年連続して緩慢なもので、都市部住民との格差が絶えず拡大されてきました。政府は「こうした局面は農民の生活レベルの向上に影響を及ぼすだけではなく、食糧生産にも影響し、国民経済の成長を制約している」と気付きました。この問題を必ず解決しなければない時となりました。これについて、全人代の代表である中国農業大学の毛達如教授は「中国の人口の3分の2を占める農民が豊かになることは非常に重要です」として、更に「都市部と農村部の収入から見れば、都市部の一人当たりの平均収入はおよそ農村部の4倍ですが、いくらかゆとりのある社会を全面的に築き上げるには農村部でその目標をまず実現しなければならず、農村の経済発展と農民の収入増を重点にしなければなりません」と語りました。

 温家宝首相は今回の政府活動報告で多くの紙面を使って、農業の発展を支援する政府の政策と措置を明確にし、「農民の税金を減免するだけではなく、食糧栽培農家に補助金を与え、農業への直接の財政投入を増やすべきだ。今年、農業への財政投入は去年より20%以上増え、1500億元を超える」と述べています。

 農民の収入を増やし、農業の発展を促すことは今回の全人代会議の討議の焦点となり、温家宝首相の提出した農業問題の解決に関する一連の措置は代表たちの幅広い支持を得ています。

 これより前、一部の地区は地元の情況に基づいて、農民を豊かにする相応の措置を講じました。北部の農業大省である河南省では、毎年1000万人の農民が都市部へ出稼ぎに行っていますが、これら人々の去年一年間の労働収入は500億元を超え、地元の経済発展を大いに促しました。

 全人代の代表で、江蘇省農業科学院の厳少華院長は記者のインタビューに答えた「現在、農民の組織化のレベルが比較的低く、個別に農作業を行っています。農業を発展させるには組織化した生産を行わなければなりません。農民に対する養成を行い、その生産能力を向上させるべきです。」と語りました。

                        「CRI」より  2004/03/08