我国が社会の協調的な発展と貧富の格差の縮小に力を入れる


 前世紀70年代末に中国が改革開放を実行して以来、経済建設が常に国家発展の最重要課題であった。25年来、中国のGDPは年平均9.4%の速度で上昇し、一人当たりの平均収入は低収入国家から中下級収入国家になった。しかし、長年に渡り追求してきた経済成長は相応の社会発展をもたらしておらず、一部の社会問題は依然として解決されていない。

 国家統計局が2003年に公布したデータで明らかに示されたように、中国では貧富の差を表すジニ係数が既に改革開放初期の0.3から0.46に上昇しており、これは20%足らずの人口が80%以上の社会財産を所有していることを意味している。

 不均衡な発展の問題は中国政府から重視されている。去年に開催された中国共産党十六期三中総において、中国は全面的な、協調的な、持続可能な科学的発展観の樹立を提議し、過去の経済成長に重きを置く発展モデルを転換し、経済、社会、環境等の方面での全面的な発展を実現することを強調した。近日、国家指導者はまた度々講話を発表し、各地が確実に経済成長方式を転換し、農村、区域、経済と社会の協調的な発展を促進することを要求している。

 中国人民大学政府管理と改革研究センターの張成福主任は、これは中国政府が初めて経済成長の追求を中心とすることから、経済と社会の協調的な発展をあくまで守ることへ転換したことであり、重大な理論革新であると述べた。

 「科学的発展観の重要な内容の一つは、経済と社会発展の相互協調である」と張成福氏は言う。彼は、社会の発展は社会の保障制度、社会の公平メカニズムと科学・教育・文化・衛生諸事業の発展を通じて最終的に各公民に立派な生活を送らせることであると述べた。しかし現在中国にある状況は中国社会の発展が深刻に停滞していることを表している。

 張成福氏は、政府は各公民のために公正な機会を与え、支払転換メカニズムを設立することを通じ社会の弱小集団に基本的な生活を送らせなければならないと述べた。

 発展の不均等問題はかなり前より学術界から注意されており、現在政府が観念を政策に転換することになった。これが一つの大きな前進であると張成福氏は言う。

 去年、農民の負担を軽減するために、中国は全国的な範囲で農村の税金と料金の改革を展開した。今年初頭には中央一号文件が農民の増収を促進することを共産党中央2004年の最重要課題とし、都市と農村の格差を減少させることに力を入れる。去年8月、弱小集団の権利を保護し社会の公平を促進させるために、中国は都市乞食浮浪人員の収容送還制度を取り消し、救助管理へと改めた。少し前に国家エイズ防止治療委員会の設立は、政府がこの社会の安全と公共の秩序を脅かす疾病を制圧する決心を表している。

 「この全てが、中国の発展が既に以前の経済成長のみの追求から、経済と社会が同時発展へと転換し、まさに人間を大切にするこの社会発展の最終目標に向かって邁進している」と張成福氏は述べた。

                      「チャイナネット」 2004/03/15