湖南省で4月下旬に女書文化展を開催


 中国の「女書」は世界でたった一つの女性文字である。湖南省档案館の劉歌寧館長は、4月下旬に女書文化展を開催し、これらの生存の危機に瀕した女書を深窓から連れ出すと紹介した。

 「女書」は一種の独特な女性の秘密文字として、歴史上では主に湖南省江永県上江?、允山、桃川、黄甲嶺郷及びその近隣の道県新車郷などの地の婦女の間に伝わり、男性はこれらの文字の意味を理解することは不可能であった。女性の社会環境の変化に伴い、現在女書は基本的に一部の農村の年輩婦女の間で使用されるのみで、伝統継承の危機に瀕している。

 湖南省档案館は女書を救い保護するために、従業員を5回にわたり「女書」の故郷の湖南省江永県に派遣し、村に深く入り込み、一戸一戸訪問し、直接女書作品を採集したり、武漢や北京に行き女書を研究する専門家から関係資料を探したりした。

 一幅一幅の字体の奇妙な女書作品、一枚一枚の女書が刺繍されているハンカチ、エプロン、手提げバッグ、一冊一冊の古く珍しい女書の書籍……湖南省古文書館が一年を費やし集めた女書の現物、女書作品及び関係する文献資料は合計303件に及ぶ。劉歌寧氏は、これらの貴重な資料は基本的に女書及びその関係する研究の概観を反映することができると述べた。

 「現在収集した女書の資料は、年代の隔たりも大きく、内容も十分に豊富であり、江永女書に伝わる作品があるだけではなく、'初代女書男性継承者'の周碩沂氏の女書書道もある」と劉歌寧氏は述べた。

 これらの作品は紙の上に書かれたものもあれば、扇子の上に描かれたもの、竹の上に書かれたもの、スカーフの上に刺繍されたものもある。形状は異なるが、字体は秀麗繊細で、独特な形をしており、いにしえの香りに満ちあふれ、点、縦、斜め、弧の四種類の筆跡があり、書は長菱形をしており、字は蚊のようである。観衆が神秘的な女書の内容を理解するのが容易なように、各の作品の横には対応する訳文と詳細な説明が付いている。

 江永女書は「中国档案文献遺産目録」の一つに初めて認可されたが、その保護現状は楽観が許されない。"初代女書男性継承者"であり江永県文化館の幹部周碩沂氏は、海外の一部の学者の「略奪的研究」が元々稀少な女書原本を海外へ大量に流出させることとなり、現在海外へ流出した女書の原作及び文化遺物は少なく見積もっても100件以上に上ると紹介した。

                   「チャイナネット」 2004/03/17