中国、川や湖の水質浄化に力を入れる


 中国は、川や湖の整備に力を入れていますが、国家環境保護総局が伝えた最新の情報によりますと、重点とされる川や湖は、水質の悪化が基本的に抑制されているとのことです。これについて、国家環境保護総局の潘岳副局長は「重点となる流域の水質浄化に引き続き取り組んでいく」と表明しました。

 経済と社会の急速な発展につれてここ数年、工業や、農業、それに生活による廃水の量が絶えず増えています。中国各地の重点とされる川や湖で水の汚染が深刻化していました。また、水の汚染は、支流から主流へ、都市部から農村部へと広まる趨勢を見せています。ほとんどの川や湖は程度の差こそあれ、汚染されていることから、水汚染は、中国経済の持続可能な開発を確保するためには解決しなければならない要因の一つとなりました。

 こうした深刻な状況に直面して、中国政府は去年、重点的な水域における汚染の防止や緩和のための計画を出しました。この計画によりますと、中国は主に三本の川と三ヶ所の湖の水質浄化に力を入れていきます。つまり、東部の淮河や北部の海河、遼河、それに、東部の太湖、巣湖、及び西南部の諸ウ池(てんち)です。

 中国政府はこれらの川や湖の水質を著しく改善するため、これからの二年間で1000億元を投資して、集中的に水質浄化を行うことになっています。

 現在、これらの川や湖の流域にある各クラスの政府部門は水質浄化のための措置を実施中で、工業汚染を抑えたり、生態的な手段で汚染物をなくしたり、防護林を設けたりして総合的な手段を講じています。

 これについて、国家環境保護総局の潘岳副局長は「こうした措置が取られたことで、淮河流域や太湖流域などでは水質が著しく改善され、諸ウ池(てんち)や巣湖の流域では汚染がいくらか緩和された」と述べ、さらに 「これらの流域は、経済が急速に伸び、人口が増える中で、水質の深刻な悪化が基本的に抑えられた。汚水処理場117ヶ所の設置を含む、あわせて472の浄化プロジェクトが完成した」と述べました。

 しかし、潘岳副局長はまた、「水質浄化のプロジェクトの実施が加速されているものの、水質の著しい改善という目標を実現するにはまだまだ遠い」と述べました。

 伝えられるところによりますと、淮河流域のおよそ半分の支流では依然として水質汚染が深刻で、海河、遼河では生態系のバランスを維持する水資源が著しく不足し、巣湖では燐と窒素の量がやや高くなっています。

 こうした問題に対し、国家環境保護総局の潘岳副局長は「中国政府は水質浄化により一層力を入れていき、これからの一年間でこうした水域における汚染の防止や緩和計画を完成させる」と述べ、さらに「これからの活動の重点として、まだ着工していない工事の準備作業を整え、汚水処理の費用徴収を強化し、市場化メカニズムの確立を促し、資金の調達ルートを確保し、汚染総量の軽減を図り、浄化の効果を確保する」と述べました。

 潘岳副局長は「中国政府はこれからの2年間、工業による汚染に対する取締りを強化する」と表明しました。

 関係部門は、重点の流域にある約5000社の企業の汚染軽減状況を評価し、廃水の排出が基準に達していないものに一定の期限を決めて、関連の整備をさせます。と同時に、要求を満足できない製紙、醸造、食品、化学工業など汚染のひどい企業を淘汰していくということです。

                        CRI 2004/3/24