世銀、5月25日から上海で国際貧困撲滅会議を開催


 世界銀行の北京駐在機構と中国政府は23日記者会見し、5月25日から27日まで上海で国際貧困撲滅会議を開催すると発表した。貧困撲滅の執行状況を評価するとともに貴重な経験を各国が共有して、発展途上国の貧困撲滅事業を推進するのが会議の目的。

 世銀と関係協力機関が主催する今回の会議では、貧困撲滅に取り組む世界各国・地域がそれぞれの経験と成果を交流する。会議には発展途上国で貧困撲滅運動に携わる代表や政策担当者ら約600人が出席する予定。成功また不成功に終わった70件の事例を検証するほか、成功した要因や貧困の原因を究明するとともに、そこから汲み取った教訓について幅広く意見交換し、経済・社会体制の違いを越えた実効性ある貧困撲滅に向けたモデルを模索していく。

 世銀でトレーニングプログラムを主管するフラニー副総裁は「今回の会議を前に9カ月間にわたり、最先端の情報通信技術を利用して、発展途上国の政策決定者や政府高官、支援組織、学者・専門家、民間団体など貧困撲滅活動の中心となっている人たちをトレーニングしてきた、彼らの間の意思疎通を図る責任を負っているのが、このプログラムだ」と強調した。

 またフラニー副総裁は「今回の経験交流では70件の分析が中心になるだろうが、成功した例が共通の関心の的になるだろう。こうした事例については多くの国が20回にわたりテレビ会議やインターネットを介して意見交換しているほか、バングラデシュやブラジル、中国、インド、インドネシア、トルコ、ウガンダ、イエメンなどの国家プロジェクトへの実地調査についても討議してきた」と説明。

 さらにフラニー副総裁は「南南(発展途上国間)の対話を強化することは、発展モデルのモデルを形成するうえでプラスとなる。これが、われわれが最も求めてきたプログラムの目標でもある。ただ、本当の試練は今回の会議が終了してから始まる。全世界が経験を貧困の撲滅にどう役立てるかにかかっている」と指摘した。

 記者会見には、中国財政部の李勇副部長、国務院扶貧(貧困撲滅)弁公室の劉堅主任が出席。

                      「チャイナネット」 2004/03/24