北京に救急医療救援センターが開設


 北京救急センター。今年設立16年を迎え、「120」の名称で市民に親しまれているセンターの正門にこのほど、「北京救急医療救援センター」の看板が加わった。一般救命活動のほか、テロ・生物化学事件や放射能拡散など予期せぬ緊急事態にも対処できるほか、担当救急半径が従来の7キロから2キロに短縮されるなど、緊急救援能力は大幅に向上される。

 北京救急センターの趙永春主任によると、従来からの機能のほかに(1)突発的な障害事故や自然災害、テロ事件、伝染病、急性中毒の救命活動を担う(2)公共衛生応急指揮センターの指令を各救急医療機関に発する(3)公共衛生関連の突発事故や事件など緊急事態が発生した場合、市内の各病院に救急施設を手配するよう求めるとともに、負傷者の現場での救命や重傷者の搬送中の看護に当たる――の3機能が加わる。

 緊急救援指揮システムは現有の指揮通信システムを基礎に、有線・無線通信サブシステムや救急情報サブシステム、車載情報システム、デジタル録音システム、ビデオ転送・デジタルビデオシステムなど13のシステムで構成され、さらに予備モデル構築や予備看護警護機能などの機能を増設する計画。事件や事故発生後、指揮システムを指揮本部と現場のシステムに分割して救急活動を行う。また担当医師は中毒や生物化学、放射能に対する自己予防や治療の技能訓練を受ける予定。

 趙永春主任は「北京市の救急ネットワークは現在、郊外の10カ所にある区・県センター、市街地31カ所の救急センターをカバーしている。市街地の担当救急半径は4〜7キロ、医師が現場に到着するまで13分かかっていたが、救急医療救援センター開設後、救急ネットは大幅に改善されていく。政府は郊外の区・県に45の救急センターを設立する計画で、救急対応能力はかなり向上する。市街地では救急半径は2キロ以内、現場到着は5分に短縮され、郊外では15〜20キロ、医師は20分以内に到着できるようになる」と説明する。

                  「チャイナネット」 2004年3月29日