経済専門家「9%前後の経済成長率達成は問題ない」


 「今年の9%前後の経済成長率達成は問題ない」。国家情報センター発展研究部の徐宏源副主任はこのほど開かれた「2004年中国経済成長と経済安全戦略フォーラム」でこう語った。

 この中で、徐副主任は「今年第1四半期の成長率は9.5%から9.6%に達すると予想され、第2四半期は前年同期に比べ10%を超える可能性がある。下半期もマクロ調整手段を講じることで、やはり8%以上の成長となる」と述べたうえで、経済成長率が通年で9%前後に達成するとの見通しを示した。

 同時に徐副主任は「今年は例年になく経済成長の動向で判断が最も大きく分かれているが、総体的に言って、就業保証の角度から見れば、経済の過熱は存在していない。ただ、発展途上国がともに抱えている共通点だが、高度成長によりエネルギーや食糧、金融、産業など、経済的安全といった問題がもたらされた」と指摘。

 その上で、徐副主任は「国民の資質を向上させ、持続可能な発展を重視する以外にも、金融体制を再構築し、金利や外貨、原油、鋼材関連の先物取引市場などの金融派生商品を増やすことが必要だ」との考えを示した。

 中国の昨年の鉄鋼生産量は全世界の消費量の3分の1を超えた。一方、消費量は2億6000万トン。石油輸入量は今年1億トンを超え、米国に次いで世界第2の石油消費大国になると予測される。徐副主任は「需要量がこれほど大きいにもかかわらず、国際市場では価格面で発言権がない。これは国家の経済安全戦略にとって極めて大きな脅威だ。相場の変動に伴う損失を先物取引でカバーするヘッジングなどの金融派生商品、こうした商品の開発が国内企業も早急にできるようにしていくべきだ」と強調した。

                      「チャイナネット」 2004/04/14