北京市、観光客受け入れ企業の指定を廃止


 北京市には、観光客受け入れ企業に指定された企業が1千社余りある。こうした指定制度が7月1日までに廃止されることになった。国内・海外の団体観光客の宿泊や飲食、買い物は、これまでの利用施設の制限が撤廃される。

 指定制度は1987年に始まった。当時のホテルやレストラン、商店などは、衛生条件や設備、サービスなどの面で団体観光客を受け入れるレベルに達していないケースが多かったため、条件の比較的整った指定企業に限って観光客の受け入れを認めてきた。

 北京市観光局のホテル・レストラン管理部門の責任者によれば、観光客受け入れ企業指定制度の廃止は、「中華人民共和国行政許可法」の規定によるものであるとともに、ホテルやレストラン、商店などの全体のレベルが向上し、政府指定する一部企業だけが多数の観光客の恩恵を受ける理由がなくなったことが背景にある。特に、中国はすでに世界貿易機関(WTO)に加盟しており、政府による特定企業への優遇という、他企業に対して不公平な措置は時代に合わなくなっている。このため、市場の自由競争によって各社の優勝劣敗を決定させるのが適当と判断されている。

 現時点で観光客受け入れ施設に指定されている市内企業約1千社のうち、宿泊施設約650カ所、商店約150カ所、飲食店約300カ所、劇場など21社、随行撮影サービス企業23社。

                     「人民網日本語版」 2004年4月21日