小学館「中日辞典」改ざん事件 外交部が対応を手配


 中国メディアの報道によると、中国の出版社である商務印書館が日本の小学館と共同で出版した「新漢日詞典」(日本版は「中日辞典」)に、日本による中国侵略の歴史や敏感な問題を改ざん、または曲解した内容があるとして、主編者(故人)の子、尚爾和氏が「父親と中国のために名分を正したい」と主張している。報道を受け、関係部門からは高い関心が寄せられている。

 「新漢日詞典」は中国の学者が編纂し、商務印書館と小学館がそれぞれ中国版、日本版を出版している。日本版の初版と第2版には、日本による中国侵略の歴史に関する内容を改ざんしたり、敏感な問題を勝手に曲解した内容が見られる。このため、主編者(故人)の子である尚爾和氏は、法律的な手段により問題の早期解決を図ることを決定した。

 中国外交部亜洲司の職員・孫さんは19日、深センにいる尚爾和氏と連絡を取り、外交部が問題処理のために専門の担当責任者を手配したことを伝えたうえで、日本版は中国では発行されていないため、日本版に関係資料を添えて北京に郵送するよう尚爾和氏に求めた。

 尚爾和氏は「外交部が同件を重視したことを大変うれしく思う」と話した。尚爾和氏は19日、自ら整理した28ページに及ぶ資料を外交部にファクスしたという。

 事件の処理を担当する孫さん自身、日本語の専門家でもあり、尚爾和氏の資料を受け取った当日夜から同資について調査を開始した。孫さんは20日の取材で、「現在は辞典の比較と検討・確認を進めている段階で、具体的な処理は、確認作業の終了後にはじめて決定する」と説明した。

                          「人民網日本語版」 2004年4月22日