香港の行政長官・立法会の選出方法について 全人大


 第10期全人大常務委員会(全人大)第9回会議では26日、「全国人民代表大会常務委員会の香港特別行政区2007年行政長官・2008年立法会の選出方法の関連問題に関する決定」を採択した。内容は次のとおり。

 会議の認識によると、「中華人民共和国香港特別行政区基本法」(以下、「香港基本法」)第45条および第68条は、香港特別行政区の行政長官と立法会の選挙方法は、香港特別行政区の実際の状況に合わせ、順を追って着実に進める原則で規定されるとしており、行政長官は広範な代表性を持つ指名委員会による民主的手順による指名の後、普通選挙によって選ばれ、立法会の議員はすべて普通選挙によって選ばれるという最終的な目標を、明確に規定している。香港特別行政区の行政長官と立法会の選出方法は、香港基本法の上述の原則と規定に合致しなければならない。

 会議では、香港特別行政区が成立して以来、香港の住民が享受する民主的な権利が、これまでにないレベルに達したと認識された。初任の行政長官は400人のメンバーで組織された選出委員会により選挙で選ばれた。2度目の任期となる行政長官は、800人からなる選出委員会により選挙で選ばれる。立法会の議員60人のうち、各選挙区から直接選挙で選ばれる議員の数は、第1期立法会の20人から、第2期には24人に増加した。2004年9月に選出される第3期立法会では、30人となる予定だ。立法会では、各選挙区から直接選挙で選ばれる議員の数は香港復帰以来、相当増加している。職能団体から選出される議員と直接選挙で選出される議員がそれぞれ半数ずつを占めてからは、香港社会全体の運営への影響、特に行政主導の体制への影響について、実践による検証を待たなければならない。これに加え、香港社会各界では現在、2007年以後の行政長官と立法会の選出方法に対して、意見の食い違いが存在し、広範な共通認識の形成には至っていない。このような状況の下では、香港基本法第45条に規定された「行政長官は広範な代表性を持つ指名委員会によって、民主的手順による指名が行われた後、普通選挙により選ばれる」との条件と、第68条に規定された「立法会のすべての議員は普通選挙により選ばれる」との条件は、まだ備わっていない。

 こうした点を参考に、香港基本法の関連規定と「全国人民代表大会常務委員会の『香港基本法』附属文書1『第7条』と附属文書2『第3条』に関する解釈」に基づき、全人大常務委員会は香港特別行政区の2007年の行政長官と2008年の立法会の選出方法について、次のように決定した。

 (1)2007年の香港特別行政区第3期行政長官の選挙は、普通選挙による選出は実行しない。2008年の香港特別行政区第4期立法会の選挙は、すべての議員を普通選挙で選出するという方法は実行しない。職能団体から選ばれる議員と各選挙区から選ばれる議員の数を引き続き半数ずつとし、立法会の法案・議案に対する表決の手順も現行制度を維持する。

 (2)2007年の香港特別行政区第3期行政長官の具体的な選出方法と、2008年の香港特別行政区第4期立法会の具体的な選出方法は、本決定の第1条に違反しないという前提で、「香港基本法」第45条と第68条の規定および附属文書1の第7条と附属文書2の第3条の規定に基づき、順を追って着実に進める原則により、適切に改正できる。

 会議ではまた、次のような認識が示された。

 「香港基本法」の規定に基づき、香港特別行政区で実際の状況に合わせ、順を追って着実に民主制を発展させることは、中央政府の一貫した確固不動の立場だ。香港社会の各方面の発展と進歩につれ、香港特別行政区政府と香港住民の共同の努力により、香港特別行政区の民主制度は必ず前に向かって絶えず発展することできる。最終的に、香港基本法が規定した「行政長官は広範な代表性を持つ指名委員会によって、民主的手順による指名が行われた後、普通選挙により選ばれる」「立法会のすべての議員は普通選挙によって選出される」との目標に達することができるだろう。

                     「人民網日本語版」 2004年4月27