中国の公共文化施設、未成年者に無料でオープン


 今、中国はメーデーの大型連休のさなかにありますが、このほど中国政府は、この5月から、各公共文化施設の未成年者への無料オープンを決めたことから、各地の博物館、美術館、記念館では、先生や親に連れられて参観や見学にきた子供の姿が目立っています。公共文化施設の未成年者向けの無料オープンという政策は、先生や親たちに喜ばれ、「これは子供たちの知識を増やす上で新しい課目を提供したことになり、子供たちの成長に重要な指導的な役割を果たすだろう」と評価しています。

 公共文化施設とは、主には博物館、美術館、記念館などを指します、中国では大多数の公共文化施設は政府が管理し、そこでは大量の文物、芸術品、記念品が展示され、また民族、歴史、文化などに関する様々な展示会はこれらの場所で開かれます。

 このほど、中国の文化省、国家文物局など政府部門は共同で通達を出し、今年5月から、未成年者や身体障害者などに対しては、無料でオープンするか、或いは割引価格でオープンするようこれら公共文化施設に指示しました。この政策が、未成年者にどのような影響を及ぼすかについて、中国の周和平文化次官は「公共文化施設が、社会の一部公衆に、無料或いは割引価格でオープンすることは、公共文化施設の社会奉仕という役割を充分に発揮させる重要な措置であり、未成年者に対しその教育的かつ指導的な役割を充分に果たすことになる」と述べました。

 この政策の公布と実施は、社会各界から積極的な支持と好評を博しています。国家博物館、故宮博物館、中国美術館、中国軍事博物館などの多くのファーストクラスの公共文化施設は、5月から実施されるこの通達をよりよく実行に移すため、以前から様々な準備作業を行ってきました。例えば、国家博物館は北京市の中心部にありますが、この博物館の責任者である黄叙・≠ヘ記者のインタビューに答えた際「私たちは、子供たちのニーズを満たすため、展示内容を色々考え、古代ローマ文明展示会、古代ギリシア文明展示会、古代コンゴ芸術展示会、オーストラリア土着民展示会などを催してきた。これら大型の国際文化芸術展示会を通じて、海外の文化芸術を中国に紹介し、特に子供たちにより多くの知識をもたらし、その課外活動を豊かにするよう工夫している」と話してくれました。

 ところで、劉宗英さんは北京郊外のある小学校の女性教師ですが、公共文化施設が未成年者に向けて無料オープンすることを聞いた後、学校の300人いる生徒全員を率いて国家博物館を参観しにきています。これについて劉さんは 「私たち学校は辺鄙なところにあり、生徒たちの家族の収入が低いので、これまでこれら博物館などを子供たちに参観させたくても、その入場料が高いことから、一部の子供しか連れて行けなかった。つまり、家計の苦しい家の子供は参観できないのだ。でも、この5月からこの政策が実行され、私たちはとても喜んでいる。これからは、より多くの子供がこれら公共施設に参観にくるだろう」と語っていました。

                                「CRI」 2004/05/07