中国、マクロ的な調整措置を講じ、経済の過熱を防止へ


 今年初めから、経済運営での加熱問題を解決するため、中国政府は、金融を引き締め、一部業界への調整力を強化するなどの一連の措置を講じてきました。現在、これらのマクロ的な抑制措置がすでに初歩的な成果を収めました。

 今年の第1四半期、中国経済は依然として、急速な成長を保ち、GDP・国内総生産が去年同期より9.7%増加し、7%の年間成長目標率を遥かに超えています。急速な成長に伴い、経済運営に存在するいくつかの問題が徐々に現れてきています。これに対し、国家発展と改革委員会経済運営局の朱宏任副局長は「まず、投資の増加が速すぎ、盲目的に投資する趨勢がエスカレートしている。これは、石炭、電力、石油及び運輸などの業界の状況を逼迫させ、更に生産資材価格の持続的な高騰をもたらし、わが国がインフレの面で直面している圧力を増やしている。物価の値上がりは企業の経営に直接影響を与えるため、現在、経営不良企業の欠損額が上昇する現象も出ている」と述べました。

 朱宏任副局長は、また、「固定資産投資の急速な増加及びその過大な規模がほかの問題をもたらす主な原因である。関連統計によると、固定資産投資は去年の急速な増加の上に、今年の第1四半期には、去年同期より4割増加し、そのうち、鉄鋼やセメントなどの業界への投資が倍以上増加した。膨大な新規プロジェクトが、中国のエネルギー供給及び運輸業の状況を逼迫させている」と指摘しました。

 経済の健全な発展を保つため、中国政府は数多くのマクロ的な調整措置を講じています。これについて、朱宏任副局長は、「これらの措置には、新規プロジェクトを厳格に制限し、市場参入の基準を更に強化し、また、実行中のプロジェクトをきちんと整備することなどが含まれている。中国は、経済運営の調節を通じて、石炭、電力、石油及び運輸などの業界の厳しい状況をできるだけ緩めたい。また、幅広い範囲で資源を節約し、また、総合的に利用するなどの措置を講じ、物価を抑制する」と述べました。

 現在、中国政府は、土地使用への管理を強化し、最も厳格な土地管理制度を実施しています。また、関係部門は、実行中のプロジェクトへの法的監督力を強化し、いくつかの規則違反の企業とプロジェクトを処分しました。その他、中国は、銀行の貸付リスクへのコントロールなどを強化し、これらの措置には、中央銀行が預金準備率を引き上げ、また、各金融機関に対し、国家が禁止するプロジェクトに新たな貸付をすることを停止し、不動産開発などへの貸付を制限する金融措置を厳格に実施するよう要求しています。

 現在、これらのマクロ的な調整措置はすでに初歩的な成果を遂げました。中国政府が発表した最新統計によりますと、4月分の鉄鋼及びセメント生産量の増加が3月より緩和し、また、鋼材価格も明らかに値下がり傾向を示し、建築用鋼材価格は3月の初めより、700元余り下がりました。この他、車、テレビなどの商品の価格の上昇幅も低下しています。

                          CRI 2004/05/17