首都経済圏構想を提起 北京・天津・河北中心に


 北京市・天津市・河北省一帯の「京津冀都市圏」(冀=河北省)の発展をテーマとするシンポジウムが17日に開催され、参加した北京・天津・河北3地区の代表が、省長クラスによる連席会議を年末までに開くことで合意した。また、北京市発展改革委員会は「3プラス2」首都圏経済圏構想を提起した。

 北京市、天津市、河北省の承徳市・廊坊市など7都市を含む京津冀都市圏は、経済規模と産業の相互補完性の面では長江デルタ、珠江デルタの両地域に大きく後れを取っている。北京市発展改革委員会は今回のシンポジウムで、「3プラス2」構想と「1軸2核3区」構想を枠組みとする2つの発展戦略構想を提起した。

 京津冀都市圏の形成に向け、3地区の代表は省長クラスの連席会議制度を整え、今年中に会議を開催することで合意した。会議では京津冀都市圏の発展戦略、発展計画、重要プロジェクトなどを検討し、重要な問題やプロジェクトに関する方針を決定する。

 「3プラス2」構想とは、北京・天津・河北3地区の枠組みに、内蒙古自治区と山東省の一部地区を加えた地域圏を形成する構想だ。内蒙古や山東の畜産品や生鮮野菜の生産、労働力の提供などの優位性を発揮して、より大きな空間で技術・情報・人材・資源・市場の移動と分配を進める狙いがある。

 ◇「1軸2核3区」構想

 <1軸>

 京津塘高速道(北京―天津市街―天津市塘沽区)を軸にハイテク技術産業地帯を形成し、省・市の利益を結集させた一連の関連産業群を発展させる

 <2核>

 北京市と天津市を首都経済圏の2大中心とし、北京の首都としての優位性と天津の港湾としての優位性、北京の知識経済における優位性と天津の対外経済における優位性を活用する

 <3区>

 (1)京津唐産業区

 北京市、天津市、河北省唐山市一帯。京津冀都市圏におけるエネルギーや原材料の供給基地、資源集約型製造業基地への発展を目指す

 (2)京津保産業区

 北京市、天津市、河北省保定市一帯。石油化学関連の川下の産業、都市型工業といった軽工業を特徴とする産業群を構築し、北京・天津両市の現代型製造業の部品組立・加工基地を形成する

 (3)京張承生態保護区

 北京市、河北省張家口市、同承徳市一帯。観光レジャー産業を支柱産業とし、京津冀都市圏の観光レジャー基地、エコロジー農畜産品生産加工基地、電力などクリーンエネルギーの供給基地への発展を目指す

                         「人民網日本語版」 2004年5月19日