FAO、「27回アジア太平洋地域総会・閣僚級総会」
北京で開催


 FAO・国連食糧農業機関の「第27回アジア太平洋地域総会・閣僚級総会」が19日、北京で開幕しました。胡錦涛国家主席は開幕式で、「アジア太平洋地域の各国は農業分野での協力を強め、農業発展の全体的レベルを絶えず向上させ、貧困と飢餓の更なる撲滅を図ろう」と呼びかけました。

 FAOアジア太平洋地域総会は2年に1回開催され、メンバー国の農業相を始めとする代表団が参加することになっています。本大会には35ヵ国のメンバー国から閣僚級の代表団が出席し、21日に閉幕の予定です。会議の期間中、代表らは農業発展と食糧安全などの問題について討議することになります。

 胡錦涛国家主席は開幕式で挨拶を行い、「長い間、アジア太平洋各国は農業を非常に重視しており、農業の発展を積極的に推し進めており、その成果は著しい。しかし、自然条件や政治、経済、社会などの多くの要素によって、農業発展はアンバランスになっている。大多数の発展途上国はインフラが立ち遅れており、農業生産力のレベルが低く、貧困と飢餓現象は依然として存在している」と述べました。さらに、この現象をなくすため、メンバー国が農業分野での協力を強化すべきだ,と強調した上で、「われわれは,農業と農村経済の全面的な発展をもっと推し進め、農村を繁栄させ、農民を豊かにし、貧困の撲滅のために緩むことなく努力していくべきである。また、小異を残し、大同を求め、互に尊重しあい、学びあい、共に利益を獲得するという精神に基づいて、農業分野での交流と合作を積極的に繰り広げていくべきである。また、開放を更に拡大し、関税を引き下げ、障壁を取り除き、共通利益を増進すべきだ」と強調しました。

 この他に、胡錦涛国家主席は,また、「農業大国として、中国はこれから,農業分野で世界各国と協力を積極的に推し進めていき、特に各メンバー国との農業協力の強化に関する,新しい分野と新しい方式についての探索と発展に力を入れていき、国民の幸せをもたらすようにする」と積極的な姿勢を示しました。更に「中国は,これから農業の開放を更に拡大していき、WTO・世界貿易機関との約束を真剣に履行し、新たな農業多国間貿易交渉に積極に取り組んでいく。同時に、中国政府は,農業と農村の経済構造の調整を推し進め、農業発展への支援を強化していき、農家の収入の増加を促す」と表明しました。

 中国農業の発展について、胡錦涛国家主席は、この20年来歩んできた道を振り返り、「20世紀の70年代末以来、中国は改革開放政策を実施することによって、数億の農民の意欲を引き出し、農業の綜合生産力は著しく高まった。主な農産物の供給は長期にわたって不足だったが、総量が基本的にバランスが取れ、ゆとりあることへの転換を実現することが出来た。中国は,自力で13億の人口の食糧問題の解決に成功した。現在、中国の穀物や肉類、卵類、果物などの農産物の生産高はいずれも世界トップを占めている」と述べました。

 開幕式で、FAOのディウフ事務総長は、中国が農業で得た優れた成果を高く評価し、「農業を発展させることは,貧困撲滅や食糧安全保障などの面で取り替えようのない働きがあるということを、中国政府がすでに認めている。言うまでもなく、中国は農業支援に力を入れている」と評価しました。また、中国が主催国として今回の総会の順調な開幕に力を尽くしたことに感謝の意を表し、これからも,FAOが中国を含めたアジア太平洋地域のメンバー国との更なる協力に貢献していきたい,と明らかにしました。

                              CRI  2004/05/21