蘇州で「世界遺産記念壁」の設置作業始まる


 江蘇省の古都・蘇州での第28回世界遺産総会開催まであと30数日となった。総会の開催を中国の歴史と内外の人々の記憶に永遠に刻み込もうと、蘇州放送・テレビ総局や蘇州工業園区順馳置地有限公司などが大規模な公益活動「蘇州の人びとで世界遺産記念壁をつくろう」を展開、この壁の設置作業がこのほど始まった。

 設置される場所は、蘇州工業園区にある金鶏湖の東。記念壁と周囲の景観を含めた敷地面積は約1.7ヘクタール。世界的に著名な建築士がデザインし、壁には長城や九寨溝、蘇州の庭園など、国内29カ所の自然・文化遺跡のほか、昆曲と古琴の2種類の「世界無形文化遺産」(ユネスコの人類の口承および無形遺産の傑作)が象嵌されている。素材は明清時代の皇帝が封じた宮廷窯で作られた金レンガ。

 注目されるのは、世界遺産のすべてが蘇州伝統のレンガ彫りで制作されている点。レンガ彫りは古い建築装飾芸術で、蘇州彫りは南方の代表格として「南方の秀作」と呼ばれる。著名なレンガ彫り師で、世界遺産記念壁を手がけた劉一鳴氏は「この壁は国内で規模最大のレンガ彫り作品になる」と話している。

 関係者は「記念壁は恒久的な媒体として、永遠に銘記すべき歴史を記録・伝承し、絶えず人びとに遺産を大切にし、遺産を保護し、遺産を伝承するよう呼び覚ましてくれるはずだ。記念壁の完成で世界に中国、蘇州の悠久の歴史と文化をより理解してもらえるようになり、社会全体に世界遺産の保護意識を呼び起こしてくれるだろう」と強調している。

 世界遺産記念壁は第28回世界遺産総会が閉幕する7月7日に完成する予定。著名な文化学者の余秋雨氏が「序」を寄せている。

                           「チャイナネット」 2004/05/21