中国、貧困家庭の衣食問題を基本的に解決


 世界貧困扶助大会が5月26日中国最大の商工都市上海で開催されます。関係筋によりますと、今大会の重要な内容の一つは世界に中国における貧困扶助の経験を紹介することです。20年数年の努力を経て、中国の貧困扶助作業が著しい成果を収め、貧困家庭の衣食問題を基本的に解決できたということです。  

 中国の貧困家庭の大多数は農村に住んでいるので、貧困扶助の対象は主に農民です。統計によりますと、20数年を経て、中国の農村では極度な貧困人口が1978年の2億5千万人から2003年には2900万人まで減少し、農村の貧困家庭の衣食問題は基本的に解決されたということです。

 中国国務院貧困扶助事務弁公室の王国良副主任は「人民を貧困から脱出させることは中国政府の主な業務の一つで、今後、中国は引き続き貧困扶助の作業を一層強化する」との考えを示し、「現在中国の貧困扶助の重点を、出来るだけ早く3000万近くの人々の衣食問題を解決することに置く同時に、衣食住などの問題のほか、教育、衛生と社会福祉などの問題解決への援助をはじめている。」と述べています。


 王国良副主任は「20世紀80年代から、中国政府は専門機構を設け、特定資金を配分し、優遇政策を制定し、全国の農村では計画的で大規模な貧困扶助開発を行った。20数年来、貧困扶助へ投入した資金は合わせて1000億元を超えており、これらの資金は主に、貧困地区の基本的な生産、生活条件を整備し、人々に実用的な技術養成を行い、生活条件が極度に悪い貧困農家に対して引っ越させ、また、貧困地区の基盤施設の建設を強化するなどに用いられた」と紹介しました。

 中国西北部の陜西省鎮巴県永楽郷に住む羅栄貴さんは貧困扶助政策の受益者の1人です。居住地区に水源がなく、長い間、羅さんや他の村民は毎日3キロも離れたところから水を運び、基本的な生活を維持していました。水の欠乏は地元の村民が長い間貧困生活に陥った原因です。  このほど、中国政府は数億元を投入して、ここの農家に雨水を集め、貯めるダムを造り、日常の生産や生活の要求を満たしています。この措置によって、地元の生活ぶりが大きく変りました。羅栄貴さんは 「秋の雨季に水をいっぱい貯めて、冬に水を運ばなくてもいい。去年貯めた水は今でも使い切れないが、水を運ぶなら、一日に少なくても桶三つの水を運ばなければならず、今では、毎日少なくとも三、四時間の労働時間を節約できる。」と話しています。

 羅さんは「ダムで貯めた水で薬用植物の栽培をして、今の家庭収入は以前の三倍になった。」と紹介し、貧困から脱出して、今後豚や牛の飼って、家庭生活をますます良くしたい考えを持っているようです。  貧困扶助の過程では、中国政府は援助を受ける人自身の発展能力の向上を重視しています。貧困家庭へ小額の貸付をすることも良い方法の一つです。中国東北の遼寧省建昌県賀杖子郷政府の責任者丁海猛さんは「地元政府が小額貸付で貧困農家の養鶏業を扶助することで、良い成果を収めた」とし、更に「プロジェクトが動き出した際、地方政府はまず資金援助の総額の40%、つまり400元余りを農家に手渡し、以後、雛(ひな)が養鶏場に入った時、再び総額の40%を投入する。鶏が卵を産み、管理も行き届くようになったら、政府部門は残りの20%の資金を出す。こうして、資金は効率的に利用できる」と紹介しています。

 現在、中国の貧困人口は主に中西部地区に集中しています。ここ数年来、中国政府はこれら地区への支援に力を入れると共に、基盤施設の建設や産業構造の調整、生態環境の改善、科学技術教育の発展などの措置を通じて、貧困地区全体の発展レベルと労働力の基本的資質を高めようとしています。

                               CRI 2004/05/26