世界貧困扶助大会、貧困削減の議案を可決


 世界貧困扶助大会が5月27日、上海で閉幕した。ウォルフェンソン世界銀行総裁は、国際社会はすでに貧困削減の長期的な目標と世界の貧困人口の生活を改善するための知識と資源を擁しており、具体的な措置を打ち出す時がすでに訪れたと語り、先進国も発展途上国も貧困撲滅事業への資金投下をふやし、経済の発展、世界の平和と安定に寄与すべきであると指摘した。

 ウォルフェンソン氏は、数多くの研究とこの二日間の会議での交流でまとめられた経験から見れば、大規模な貧困削減を実現することは可能であると楽観視している。同氏は、「各国の政府が正しい考え方を持ち、そしてこれらの考え方の実現をバックアップし、長期的な管理・実施に適した環境づくりをおこないさえすれば、貧困削減の規模を拡大することは可能である」と話した。

 ウォルフェンソン氏は、貧困削減にはどこでも適用できるような固定的なモデルはまだないとしながら、今回の大会では、そのカギとなる要素がいくつか提示されているとし、次の諸点を列挙した。

 1) 貧困人口は改革を推進する主体であり、それなりの需要に応えることができ、地元の状況にも適応できる解決方法を見つけることが重要。

 2) 人々に対し長期的な公約を行い、将来の展望がある政府の指導者を必要とする。

 3) 事業の透明度を強化し、腐敗に断固反対すること。

 4) 大規模な貧困削減に関する知識と実用的な考え方を交流すること。

 5) 事業の管理を強化し、刷新を求め、学習を続け、変化を柔軟に適応すること。

 6) すべての利益関係者との間で協力パートナー関係を結ぶこと。

 ウォルフェンソン氏は、中国が貧困撲滅の事業で成功を収め、20年間で3億人が貧困から抜け出したと中国の成果を高く評価した。

 中国国務院の回良玉副総理は、中国は2000万ドルを拠出して、「中国貧困扶助及び地域協力特別基金」を設立し、国連開発計画署とタイアップして「貧困削減国際センター」を設立することを明らかにした。

 回良玉副総理は、先進諸国に対し、発展途上国への援助を増やし、発展途上国との貿易往来、相互投資をも拡大して、「南北協力」の新たな方式を積極的に模索していくよう呼びかけた。中国政府は力のある限り、貧困国家の発展への寄与を拡大していくことをも明らかにした。

 ウォルフェンソン氏は、今回の大会は、近年来の世界経済・社会発展の中で受益することができなかった国々への先進諸国の援助拡大を促すことになろうと話した。

 ウォルフェンソン氏は、「今回の大会における学習はまだ終わっていないが、発展途上国の間で、知識・考え方・経験を共有する新たな方法を開拓したといえる」と述べた。

                       「チャイナネット」 2004年5月28日