中国、流動人口の子供の入学問題に注目


 6月1日は国際児童デーです。この祝日を祝うため、ここ数日、中国各地では様々なイベントが開催され、児童の健全な成長に良好な環境を提供するよう全社会に呼びかけました。そのうち、流動人口の子供の教育問題は特に注目されています。 

 流動人口の子供の教育問題は、中国の経済や社会の発展と都市化プロセスの推進に伴って現れてきた問題です。20世紀の90年代から、農村の余剰労働力が都市へ流動し始めました。そのうち、家族で移る割合がますます高くなり、都市部の流動人口の子供の数が日増しに増えてきました。現在、北京市には20万余りの流動人口の子供がいます。中国国家統計局の統計によりますと、これから10年の内に、毎年およそ1500万人が農村から都市へ移動し、それと同時に100万の流動人口の子供が生じてくるとのことです。

 国際児童デーに先立って、中国全国人民代表大会常務委員会の副委員長でもある中華全国婦女連合会の顧秀蓮会長は、こうした子供の教育問題に関心を寄せるよう全社会に呼びかけ、「流動人口の子供たちはほかの児童と同じように、平等に生存、保護、発展と参与の権利を享有すべきだ。これらの児童の教育事業に力を入れ、その合法的権益を守ることは、わが国の経済発展、社会の安定と文明の進歩にとっても重要な意義がある。そのため、全社会が注目し、彼らに更なる愛護を与えるべきだ」と述べました。

 長い間、中国は児童が戸籍所在地で入学する政策を実施しているため、流動人口の子供たちの入学は難しくなっています。彼らは簡易の民営小学校でしか勉強できません。これらの学校の条件と教育の質は比較的に言えば良くないです。ここ数年、流動人口の子供たちの入学問題はますます中国社会各界から重視されるようになりました。現在、中国政府は関係文書を採択し、こうした子供たちが都市部の子供と同じように義務教育を受けられるために効果ある措置をとるよう、各地に要求しました。

 北京市西部にある玉泉路小学校は政府に指定されている流動人口の子供を受け入れる学校です。学校の教室は広くて明るく、コンピューター教室もあります。河北省から来た二年生の丁亜文さんは、「ここの先生は自分の子供のように私たちに接してくれます。病気になったら、先生は薬を忘れないよう私たちに注意します。授業が分からない場合、先生は自分の休みを犠牲にして、補習をしてくれます。放課後、学校の通学バスが私たちを家まで送ります。私たちがよりよく勉強、生活できるよう、先生たちはたくさん助けてくれます。ここで、私たちは科学や文化知識を身につけるだけでなく、愛を感じています」と話してくれました。

 玉泉路小学校で勉強している丁亜文さんのような流動人口の子供たちは合わせて500人余りいます。それぞれ浙江省、安徽省、河南省、四川省などから来ました。玉泉路小学校の王梅校長先生は、「全社会の関心と愛があれば、私たちは更に努力し、自分のすべての愛をこれらの子供たちに奉げ、彼らがよりよい教育を受けるため、一切の条件を提供してあげます」と述べました。

                                CRI 2004/6/2