04年の中国マクロ経済を展望 商務部


 商務部研究院の2004年春期研究チームは2日、「中国対外貿易形勢報告」を発表し、2004年の中国マクロ経済の情勢を展望した。

 中国経済の2004年の発展環境には、プラス要素もマイナス要素もあり、チャンスと課題が併存し、国民経済は発展への重要な関門にさしかかっている。チャンスを着実にとらえ、マクロコントロールを適切に行い、マクロ経済政策の連続性と安定性を維持しながら、経済情勢の発展や変化に基づいて、適時かつ適切に政策実施の程度と重点を調整し、さらに各分野の急発展への積極性をしっかり保護し、指導し、発揮させさえすれば、国民経済の安定的な発展の実現が可能になる。こうした判断の根拠として、次の4点が挙げられる。

 (1)経済は新たな成長期に

 03年の経済の急成長が、04年のためにしっかりした基礎を作っている。経済成長率は、03年第3四半期の9.6%、第4四半期の9.9%に引き続き、04年第1四半期も9.7%を達成した。各方面の急発展への積極性は高く、経済運営の体制や環境は今後さらに改善されるとみられ、経済急成長の勢いも今後持続する見通しだ。

 (2)ミクロ経済の活力が増強

 03年の企業利益の大幅な改善が、ミクロ経済主体の信頼感を増強させた。03年第4四半期の「全国企業景気指数」と「企業家信頼感指数」は、ともに過去最高を記録した。全国企業景気指数は第3四半期を3.0ポイント、前年同期を5.0ポイント上回る136.0ポイントを記録し、企業家信頼感指数は第3四半期を4.1ポイント、前年同期を8.1ポイント上回る133.7ポイントに達した。消費者信頼度指数も引き続き上昇し、住宅、自動車、通信、観光といった人気商品の消費が伸び続けている。

 (3)マクロ経済政策は連続性と安定性を維持

 内需拡大の方針を引き続き堅持し、積極的な財政政策と安定的な通貨政策を実施することが、04年の国民経済の急成長へ向け、安定した政策的支持を提供していくとみられる。同時に、柔軟なミクロコントロール措置を適宜採用し、経済運営中の目立った問題点を引き続き解決していくことが、経済運営の安定にとってプラスになる。

 (4)国際的な経済環境に好転の見通し

 世界経済に一連の不安定要素が存在しているものの、全体としては好転しつつある。主な国際機関が発表した04年の世界経済成長率、貿易成長率予測は、いずれも03年実績を上回る。世界経済のこうした勢いは、外需の拡大に役立ち、中国の輸出の継続的成長に向けて有利な外的条件となる。

 しかし、次の3点には注意しなければならない。

 ◇石炭・電気・燃料油・運送の供給不足などにより、エネルギーや原材料の価格が急上昇し、投資や輸出の成長に対する制約が一段と強まっている。

 ◇一部産業の行き過ぎた投資の問題に的をしぼって、中央政府は商業銀行の法定預金準備率の引き上げや、土地供給の厳格なコントロールといった措置を打ち出した。その効果が徐々に表れ、無計画な投資や低付加価値分野での事業の重複はくい止められつつあるが、企業の融資環境や土地などの供給が大きく制約される可能性が出てきた。

 ◇輸出については、土台となる03年の数値が大きかったので、04年は高度成長を維持することが難しい。

                     「人民網日本語版」 2004年6月4日