政府、原油輸送態勢の整備加速を支援


 中国長江航運(水上輸送)(集団)総公司傘下の主力企業である南京長江油運(原油輸送)公司は先月25日に社債を発行。調達資金はタンカーの建造に充てて原油の輸送力を増強する計画で、これにより原油の輸送態勢の整備が加速されることになった。

 発行した社債は10億元で、合計7隻のタンカーを建造する。うち7万トンクラスが2隻、10万トンクラス4隻、15万トンクラスが1隻。南京長江油運公司の総資産は70億元。現在、東南アジアからの一部原油輸送を担っており、昨年の石油製品輸送量は3500万トン、収入は30億元にのぼる。7隻のタンカーが投入されると、東南アジアと中東地域からの原油輸入量は年間700万トン、収入は6億元増加する見込み。

 経済の急成長につれ石油の需要量は大幅に伸びている。2002年に約7000万トンだった輸入量は昨年に9000万トン余まで増加したが、今年は1〜4月だけで約4400万トンと、すでに昨年の総輸入量の半数近くに達した。

 現在、原油輸入タンカーを運行しているのは主に中国遠洋運輸(集団)公司、中国長江航運(集団)総公司、中国海運(集団)公司と招商局集団の大企業4社。原油の輸送には巨額の資金が必要で、30万トンクラスのタンカー建造の場合約6億元かかる。原油の安全輸送を確保し、外国船舶に依存してきたこれまでの仕組みを改めるため政府は、大型タンカーの建造による輸送態勢の早急の整備に政策面から支援に乗り出した。

                         「チャイナネット」 2004/06/04