天津税関、沿海船舶によるコークス密輸を摘発


 天津税関はこのほど、国内沿海輸送用の船舶によるコークス密輸事件を摘発した。天津新港でコークス1500トン(400万元相当)を積載した同船は、目的地を上海と申請していたが、実際には韓国へ向かっており、密輸の疑いがもたれている。

 同船が「船舶営業運輸証」で認められた営業範囲は、「国内沿海および長江中下流域の各港間の普通貨物船による輸送」だった。同船は国内検査へ対応するため、港湾管理部門のスタンプや偽造印を使用したほか、虚偽の航海日誌と運行日誌も作成していた。さらに、海外からニセの外国船籍証明書を入手し、積出港海事局発行の「国際航行船舶出口岸許可証」も偽造していた。申請の必要な輸出貨物を無許可で海外に輸送し、外国ではモンゴル船籍と偽っていた。

 こうした悪質な密輸の手法はきわめて巧妙で、税関、国境警備、海事など出入国管理部門にも実態の把握が難しく、捜査は容易ではない。同船は2003年以降、10回余りにわたり、遼寧省大連、営口、ハク魚圏、天津新港などでマグネシア、コークスなど輸出申請の必要な貨物累計2万トン近くを積載し、通関手続きを踏まずに韓国、日本などへ輸出していた。事件の捜査は現在も続いている。

                       「人民網日本語版」2004年6月8日