国家林業副局長、野生動植物と湿地保護の状況について語る


 国家林業局の趙学敏副局長は10日午前、国務院新聞弁公室で記者会見し、野生動植物保護の成果やジャイアントパンダ、湿地と野生動植物の調査状況などについて語った。

 ◆野生動植物と湿地保護の状況について

 わが国は野生動植物種が豊富であり、脊椎動物は約6000種、高等植物は3万種余りに達しており、とくにジャイアントパンダやメタセコイアなど一部の種はわが国しか生息していない。

 わが国は生態保護を非常に重視するとともに、科学的発展観を堅持し、野生動植物と湿地の保護を全面的に協調のとれた持続可能な発展戦略に盛り込み、生態整備を主体とした林業発展戦略を実施する「6大重点プロジェクト」の1つとして取り組んで、顕著な成果を収めた。それは以下の7点に見られる。

 (1)政府は『森林法』や『野生動物保護法』『野生植物保護条例』『森林・野生動物類型の自然保護区管理実施法』『自然保護区条例』などの法律や法規を公布した。中央から地方の各クラスの林業機関に専門の保護管理機構を設立し、重点地区に管理監督機構を設置したほか、森林公安を配備し、武装警察森林部隊を編成して保護の管理を強化した。

 (2)主要な野生動植物生息地と湿地の保護が円滑に進んだ。2003年末現在、林業系統の自然保護区は1538カ所に達し、全国総数の80%近く、国土面積の12.3%を占める。湿地の40%、約300種の重点保護対象野生動物の主要な生息地、約130種の重点保護対象野生植物の主要な分布地が有効に保護された。

 (3)希少種の救済で著しい成果をあげた。全国250カ所余りに野生動物救済繁殖基地を建設し、約400カ所に野生植物種保護飼育・遺伝子保存センターを建設したことで、絶滅に瀕する200種余りの野生動物、数千種の植物種を安定的に人工育種できるようになった。これによって絶滅度の極めて高い種は救済され、一部は大自然に戻ることができた。

 (4)野生動植物の人工育種は相当な規模を有するまでになった。全国で野生動物飼育業者は2万4500社、野生植物栽培事業者は1万7000社、野生動物園や動物園は243カ所、植物園や樹木園は115カ所を数え、年間収入は約560億元に達しており、社会の需要を満たし、資源保護の圧力も緩和された。

 (5)野生動植物に関する科学的研究で大きな進展を収めた。政府が生物学や生態学、繁殖技術、遺伝子の保存・開発、感染病の予防・警告、疾病の防止・治療、鳥類の還流生態などの研究を積極的、組織的に展開してきたことで保護の管理が強化された。

 (6)国際協力と交流に積極的に取り組み、国際条約の義務を真しに履行してきた。わが国は『ワシントン条約』(絶滅の恐れのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)や『ラムサール条約』(とくに水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約)に加盟しているほか、IUCN(国際自然保護連合)や国際野生動物保護連合、世界自然基金、国際鶴類基金、中国トラ救済国際基金など数多くの国際組織への加入を果たし、米国や日本、オーストラリア、ロシア、インドなどと協力協定に調印して良好な協力関係が築かれた。

 (7)幅広いキャンペーンを展開し、社会全体の保護意識が高まった。全社会が保護事業を支持し、参与するために、さらに野生動物保護協会や野生植物保護協会を設立したことで、各界が保護事業に力を結集するようになった。

                       「チャイナネット」 2004年6月11日