国家林業副局長、野生動植物と湿地の現状について語る


 国家林業局の趙学敏副局長は10日午前、国務院新聞弁公室で記者会見し、野生動植物保護の成果やジャイアントパンダ、湿地と野生動植物の調査状況などについて語った。

 ◆野生動植物と湿地の状況について

 わが国の主要な野生動植物と湿地の状況を把握するため、国家林業局は90年代中期から相次いでジャイアントパンダや主要な野生動物、主要な野生植物と湿地について調査を実施してきた。調査内容の詳細は以下の通りである。

 (1)ジャイアントパンダについては、70年代と80年代に2回調査しているが、99年以降に行った3回目の調査で、野生のパンダが2回目の調査(1985〜1988年)の約1100頭から1590頭(1.5歳以下は含まず)余りまで増えていることが確認された。現在、人口飼育数は161頭(国外の23頭を含む)を数える。調査によって、90年代初期に「ジャイアントパンダと生息地保護プロジェクト」を実施して以降、その範囲は拡大し、生息環境も改善されたことで、種の数は安定して増加している。だが、一部の生息地で人為的な破壊がもたらされていることが明らかになった。

 (2)主要な野生動物の調査は1995年から全国範囲で開始した。保護することを最優先課題に、資源の消耗が激しく絶滅の恐れの高い252種(うち国の重点保護種は153)の陸生野生動物を調査対象とした。

 調査対象種のうち、過去に地域的また専門的調査を実施し、今回の調査で対比・分析が可能な種は61種(うち、国の重点保護種は52)にのぼる。分析の結果、数が安定増加しているのは36種で、いずれも国の重点保護種だが、非重点保護種では9種で数が著しく減少している。そのうち8種がヘビ類である。調査の結果、わが国の野生保護動物の保護、とくに重点保護種の保護は大きな成果をあげており、自然保護区の設立に伴い、300種余りにのぼる国の重点保護野生動物の主要な生息地が有効に保護されていることが分かった。だが重点保護種、とくに経済的利用価値の比較的高い種は余り多くはなく、利用需要に応えられないために保護を主体にする必要がある。

 調査で、人工飼育を発展させて利用の問題を解決するのが必然的な選択であることが証明された。現在、経済的に利用できる種の大部分については人工飼育で資源問題は解決できる。

 (3)主要な野生植物の調査は1996年から初めて全国範囲で開始した。救済的な保護を強化するため、資源の消耗が激しく絶滅の恐れの高い189種(うち国の重点保護種は147)の野生植物を調査対象とした。

 189種のうち絶滅に瀕しているのは104種で、調査総数の55%を占めて予想を上回った。だが、まだ一部で生存最低数を下回る種があるため、救済的な保護が必要である。調査では、自然保護区の設立で130種の希少植物の主要な分布地が有効に保護されていることが分かった。しかし、一部の経済的利用価値の比較的高い非重点保護種は過度の開発・利用で減少しつつある。野生資源は余り多くはなく、利用需要に応えられないために保護を主体にし、人工栽培を活用しなければならない。調査を通じて、人工栽培が大きな発展をとげ、かなりの規模の栽培基地が建設されたことは喜ばしい。

 (4)湿地の調査は1995年から初めて全国範囲で開始した。100ヘクタール以上の湖沼、沢、ダムの低湿地、近海と海岸の湿地、河床の幅が10メートル以上で面積が100ヘクタール以上の河川、その他の特別に意義のある湿地について調査を実施した。

 調査によって、全国に3848万5500ヘクタール(水田湿地は含まず)の湿地があることが判明した。うち自然の湿地は3620万500ヘクタール、ダムの低湿地は228万5000ヘクタールである。自然湿地のうち、沼や沢は1370万300ヘクタール、近海と海岸の湿地は594万1700ヘクタール、河川湿地は820万7000ヘクタール、湖の湿地は835万1600ヘクタールである。全国にある40%近くの自然湿地が353カ所ある保護区に組み込まれて、有効に保護されている。だが、一部の地方では湿地の無目的な開墾が行われている、生物資源や水資源の利用が合理的でない、汚染が深刻化しているといった問題もある。

                     「チャイナネット」 2004年6月11日