西安古楽を世界無形遺産に申請へ


 国内で最も完ぺきな形で保存されている大型民間器楽――西安の古楽をユネスコの世界無形遺産(人類の口承および無形遺産の傑作)に申請しようと今、国の関連機関がその準備を進めている。

 西安古楽は西安鼓楽、長安古楽、長安鼓楽とも呼ばれる。最も完ぺきな形で保存されてきた3大民間器楽の1つで、「古代のシンフォニー」また「中国古代音楽の活きた化石」とも言われ、唐宋時代の宮廷音楽の格式の高さ、荘厳さ、高雅さを漂わせている。現在も演奏では古い「俗字譜」が使用される。

 西安古楽は唐代の燕楽を脱胎した後に宮廷音楽に融合。安史の乱の期間(755〜763年)、宮廷音楽師の流亡とともに民間に流入して寺院や廟などで演奏が行われ、次第に僧、道、俗の3つの流派に分割されて明清時代に最盛期を迎えた。現在、西安市や終南山北麓に位置する長安、周至、藍田などの県・区などに伝え残されており、南集資や何家営、大吉昌、東倉、西倉、端履門、城隍廟などの「古楽社」が有名。

 陝西省は1953年から1000部を超す古楽曲の整理に着手し、それを基礎に「香山射鼓」や「驪山吟」「玉門散」「羽調緑腰」などの楽曲や唐代を模した舞踏を創作してきた。

 同省文化庁はこのほど文化遺産である古楽の保護・救済を強化するため、古楽専門家や著名な文化人で構成する専門機関を発足させた。劉寛忍副庁長は「今回の申請が成功するか否かにかかわらず、これを機に民間の古楽社を支援するほか、専門の演奏団体を養成していく必要がある。また展示・保護や理論研究の専門機関を設立し、科学的な保護システムを構築して、古楽を有効に保護し、伝承し、発展させていかねばならない」と話している。

                          「チャイナネット」 2004年6月14日