台湾との経済貿易に対する大陸の全体政策は不変


 国務院台湾事務弁公室のスポークスマンは、このほど「大陸は『台湾独立』を支持する台湾企業家を歓迎しない」との立場を明確に表明しました。これは台湾海峡両岸、とりわけ、台湾の企業家に極めて大きく注目されました。台湾事務弁公室のこの態度が海峡両岸の経済貿易関係にどんな影響を及ぼすか、また、台湾の経済貿易に対する大陸の政策は変化するのか。このことについて、北京放送局記者が関係専門家や大陸に投資している台湾の企業家に取材を行いました。専門家は「大陸の台湾に対する経済貿易政策の全体方針は変えりえない」と指摘しました。

 大陸は台湾の企業家の投資を常に歓迎する態度を取ると共に、投資の方式、投資のプロジェクト及び税金などの面で多くの優遇政策を講じています。1987年以来3万人余りの台湾の企業家が大陸で約6万件余りのプロジェクトに投資し、契約投資総額は600億ドル余りに達しました。

 ところが、大陸に投資した台湾の企業家の中には『台湾独立』の支持者が少なくありません。これらの人々の言論と行為は海峡両岸関係をひどく損っています。したがって、国務院台湾事務弁公室の張銘清スポークスマンは、「大陸で金を儲けて『台湾独立』を支持している企業家を歓迎しない」と明確に表明しました。

 社会科学院台湾研究所の朱磊研究員は 「言論の面で、ある企業家がはっきりと『台湾独立』を支持する言論があり、『台湾独立』の理念を撒き散らしている。行動の面では、分裂活動を支持し或いはこれに参加した行動がある」と述べました。

 朱磊研究員は大陸に投資している許文竜氏を例として次のように紹介しました。許文竜氏は10年前広東省に投資し、化学工場を設立しました。その後、彼らの企業は急速に発展しており、短期間に20社余りの企業を持つ大型グループになり、台湾化学工業業界のナンバー1と言われています。この10年来、大陸からの優遇政策によって金を儲けた許文竜氏は『台湾独立』という分裂の立場を支持し、『台湾独立』組織内の職務を公に担当しています。

 中国社会科学院台湾研究所の朱磊研究員は「許文竜氏のやり方は海峡両岸の経済貿易往来を促進する大陸側の初志に背き、大陸人民が受け入れられないものだとして「許文竜氏は実際にこれらの金で、台湾独立を主張する分裂勢力を支援している。これは両岸の経済貿易のために優遇条件を提供しようとする大陸側の考えに背き、両岸の経済貿易往来の初志に背いている。」と述べました。

 朱磊研究員は、大陸に設置されている数万社の台湾系企業の中で、台湾独立を支持する許文竜氏のような者は極少ないと見ています。このため、大陸で金を稼ぎながら台湾独立を支持する台湾の企業家を歓迎しないという大陸側のやり方は大陸での大多数の台湾企業の経済貿易活動に影響を与えることはありません。台湾に対する大陸の経済貿易政策の全体方針が変わることはありません。

 これについて、江蘇省で投資している台湾の企業家考偉廷氏は「国務院台湾弁公室の表明は私の大陸へ投資する自信に影響を及ぼさない」と語って、更に「国務院の表明は台湾独立に傾く一部の人に影響する可能性があるが、私にとって、何も影響されない。大陸の市場の明るい前途及び両岸の経済貿易交流の未来に対し自信に満ちている」と述べました。

                              CRI 2004/6/16