新聞出版総署、民族ネットゲーム・アニメ制作を支援


 雷震子や孫悟空、諸葛孔明らが間もなく登場し、ネットゲームの世界は金髪で青い目の英雄ばかりでなくなる――。『封神榜』や『西遊記』『三国』など、古典の名作をネットゲーム用に編集し直した30種類のソフトが年末までにお目見えすることになった。

 新聞出版総署の石宗源署長は記者会見し、「未成年者が歴史の伝承に対する認識を改めるのに役立つよう、各種の出版事業体が大型ネットゲームやアニメ作品を含む新たな技術、手段を用いて中国伝統の文化を再現するよう奨励していく」との考えを明らかにした。

 この2カ月余り、未成年者の思想やモラルの育成をめぐり激しい議論が巻き起こっている。「メディア上に氾濫する暴力やポルノが青少年の犯罪率を高めている。ことに輸入されたネットゲームや猥褻な漫画による害はきわめて大きい」というのが大方の意見。

 これについて石署長は「不健全なゲームソフトや猥褻出版物に対しては、これまで大規模な取り締まりを行ってきた。また今後は、子供たちに健全かつ民族的特色を備えた作品をより多く提供していくつもりだ」と強調した。

 新聞出版総署はすでに「民族ネットゲーム出版プログラム」を策定。国内ソフト開発メーカーの協力を得て5年以内に、知的財産権を有し、民族的特色のある優れたネットゲームソフトを合計100種類開発する予定で、うち30種類は年内に発行する。

 また北京や上海、天津などに未成年者用出版物拠点を設置するほか、アニメ開発・生産拠点を開設して中国独自の作品を自主制作し、内外市場での競争に参与していく計画。

 石署長は「新手段による制作を奨励する以外にも、伝統的な出版市場が少年児童に有益となる読み物を十分提供できるようにしていく」とも強調。

 新聞出版総署は未成年者用の出版物が全体に占める比重を高めるとともに、思想と人徳や素養の向上、少年児童文学や科学知識の普及、愛国主義教育に関する優秀な作品を数多く出版していく。同時にすべての販売店に対し、未成年者用出版物コーナーを店内の目立つ位置に設け、有害出版物を取り扱わないよう求めていく方針。

 さらに同署は、未成年者用出版物市場の発展を促すため、ISBNなどの刊行図書コード政策や資金面から出版事業体の体制、技術、デザイン工芸、作品の刷新などを支援していくことにしている。

                       「チャイナネット」 2004年6月17日