商務部、『公司法』などの改正作業に着手


 リスク投資に関する重要な法律である『中華人民共和国公司(会社)法』と『中華人民共和国合?(共同)企業法』の改正作業が今、進められている。

 商務部条法(条例・法律)司の周暁燕副司長は先ごろ開かれた「中米企業発展フォーラム」で講演し、『公司法』の改正について、初稿段階では条項の半数近くが改正され、リスク投資に関する多くの規制的な規定を取り消しあるいは改正するとともに、リスク投資の発展に役立つ条項を加えたことを明らかにした。

 また周副司長は「国務院法制弁公室は5月、改正した『公司法』について各方面に意見を求めた結果、改正を求める個所が非常に多かった」と述べ、資本の拠出制を応募制に改める◇ある会社が他社に投資する場合、純資産の50%を超えてはならないとする規制的な規定を取り消す◇株主の株式による出資、知的財産による出資、とくに版権の価格設定による出資などの方式を加える◇株主の株式譲渡に関する規制的な規定を取り消すあるいは改正する◇企業による株式買い戻しを許可する――などを例に挙げた。

 さらに周副司長は「これは最終的な決定稿ではないが、初稿から見ると、投資家が広く関心を寄せるリスク投資に関する法規上の障害、問題はほぼ解決された」と強調したうえで、リスク投資に関するいま1つの重要な法律である『合?企業法』の改正にもすでに着手し、現在課題の検討段階にあることを明らかにした。

 1993年に公布された『公司法』は主に製造、貿易関連企業を対象にしたもので、多くの点で資本運用を主業務とする起業ファンドには適応できなくなっていた。一方、『合?企業法』には、米国のリスク投資活動で立証されたリスク投資に最適な組織形態とされる「有限共同制度」が欠落していた。

 国内でリスク投資事業が立ち上がったのは、80年代中期。「起業投資」とも呼ばれる。中国共産党中央は1985年に『科学技術体制改革に関する決定』を公布したが、この決定は最も早期の指導的原則、政策的に根拠となるものとなった。同年、全国初のリスク投資企業である中国新技術起業投資公司が創設。その後、各地に科学技術リスク投資公司やリスク投資基金、科学技術投資担保公司などが相次いで設立された。投資主体の大半は各地の政府機関。

 周副司長は「合理的な退出メカニズムがあって初めて、リスク投資の資金を循環に流動させることができ、回収して再投資すれば、高効率を実現することができる。現在、リスク投資からの退出には、株式譲渡、株式公開・上場(IPO)、清算の3つの方法があるが、いずれも明確性、具体性、対処的な法律規定がないため、リスク投資の退出は法律的に十分保障されていない」と強調。そのうえで「『公司法』が規定する上場の条件は高すぎ、清算に関しても操作できる規定に欠けており、『破産法』にしても国有企業にしか適用されない。株式譲渡は典型的な所有権取引だが、わが国の市場は未発達であるため、取引コストが高く、ハイテクの価値評価や科学技術成果の財産権帰属についても法律的に明確な規定は設けられていない。さらに監督や管理も遅れており、こうしたことがハイテク企業の自由な財産権譲渡を制限している」とも指摘した。

 全国人民代表大会が1996年に『中華人民共和国科学技術成果転化促進法』を審議、採択したことで、様々なリスク投資企業を設立するための法的根拠が整った。その後、『リスク投資メカニズムの確立に関する若干の意見』や『外国投資家による領内企業の合併・買収の暫定規定』など一連の法規が制定されたことから、国外の起業資本や先進的な起業投資管理ノウハウが導入され、国内の起業投資メカニズムを改善して立法の試みがなされたほか、外資による合併・買収に関する原則、手順、審査・認可などの規定が設けられた。

 周副司長は「こうした法律あるいは規定はいずれも概念的、原則的な規定であり、真に操作できる規則に欠けているため、関係当事者の取引における権利と義務の境界も格別に明確だという訳ではない。リスク投資の法律上の位置づけははっきりしておらず、根拠も不足していたため、投資は法的保護を受けられずにいた」と、法改正の理由を説明した。

                          「チャイナネット」 2004/06/30