中国、エイズの予防抑制に総合の措置をとる


 中国衛生省の王リュウ徳次官は29日、北京で記者会見し、「中国はすでにエイズの予防と抑制を政府活動の重要な議事日程に組み入れており、一連の効果ある措置を講じて、中国の国情にかなったエイズ予防システムを基本的に確立した」と述べました。

 統計によりますと、中国は1985年に初めてエイズ病例が報告されて以来、エイズの感染が急速に伸びる趨勢にあります。2003年に、国家衛生省と関係国際組織が、全国範囲でエイズに関する流行病調査を行った結果、中国には感染者が84万人、患者が8万人いることが分かりました。

 こうした深刻な情勢に対し、中国は「エイズ抑制防止行動計画」などの文書を制定し、防止活動を規範化させています。これと同時に、この活動に投資される資金は増えつつあります。

 中国国務院エイズ予防治療事務室の責任者である、王リュウ徳衛生次官はこれについて説明し「ここ数年、政府はエイズの抑制を非常に重視しており、人的かつ物的により一層力を入れている。例えば、エイズ予防への投資はもともとは年に1億2千万元だったが、2003年に4億元近くに達した。さらに今年は中央財政から4億7千万元投資する予定だ」と述べました。

 現在、中国は積極的にエイズウイルス感染者とエイズ患者の救助政策を実施しており、その主な内容には、農村住民と、都会の経済的に困難な住民のエイズ患者に無料で抗毒薬物を提供し、患者の孤児を無料で学校に通わせる、などが含まれています。

 危険度の高い人々から普通の人へのエイズの蔓延を防ぐため、中国は麻薬を常習者や、売春婦などの人々の管理を強化しています。また、中国各地では、総合的なエイズ防止の効果的な方法を探しています。例えば、中国中部の河南省はエイズの発病者が多い地方で、現地住民の生産や生活でのいろいろな困難を解決するために、河南省の70人余りの政府職員がぞれぞれ、省内の38のエイズ疫病が深刻な村へ出向き活動を展開しました。中国衛生省の王リュウ徳次官は「これらの職員は非常に実務的で、具体的な予防治療援助を展開しており、例えば村のすべての住民に健康診断を行い、エイズ患者に無料治療をするなどしている。このほか、彼らはこれらの村に道を開き、井戸を掘り、小学校と診察所を建て、農民の生産と生活を指導している。現在、これらの重点の村の住民の心は穏やかで、生活も安定しているから、私は農民たちの心からの笑顔を見た」と述べました。

 王リュウ徳次官の紹介によりますと、宣伝と教育はエイズを抑制する根本的な措置で、中国はすでにこの面で多くの活動を展開しています。例えば、関係部門はシリーズの宣伝漫画を出版し、エイズ伝染のルートや国家のエイズ防止の関連政策を紹介しています。この漫画シリーズはすでに中国の各農村に配られました。このほか、中国の政府部門はたくさんの非政府組織と協力し、人々の中に入って宣伝と教育を展開し、エイズの予防知識を普及しているとのことです。

                                  CRI  2004/7/1