中国探検隊、グランドキャニオンを筏下り


 米国の権威ある地理専門誌『ナショナル・ジェオグラフィー』は2002年、国内で最も刺激的でチャレンジ性に富んだ冒険コース100件を選出し、グランドキャニオンの筏下りがトップにランクされた。

 18年前、10人の中国人が初めて母なる大河・長江の筏下りに成功。彼らの壮挙を記念し、また当時支援した米国人に恩返ししようと、筏下りの名手9人がグランドキャニオンに挑戦することになった。

 壮行会で馮春・副隊長は「我々は必ず五星紅旗にグランドキャニオンの全行程を完走させる。これが数世代にわたる筏下りの勇士の夢だ」と自信のほどを示した。

 探検隊は11日に米国に到着。13日に行程400キロ、半月かけての筏下りに出る。メンバーのうち最年少は30歳、最年長者は53歳。

 隊長を務める四川省探検協会の劉立秘書長によると、探検隊は出発前に1週間、青衣江で水の流れを読んだり、アクシデントに備えたトレーニングを行ったりした。

 今回、米国企業に依頼したヘリコプターや救護艇が一行の安全を確保する。筏が3級あるいはそれ以上の早瀬に遭遇した場合、不慮の事故を防ぐため隊員を派遣して水の勢いや流れの落差、地形などを確認して進むことにしている。

 グランドキャニオン一帯の気温は50℃近くに達し、隊員は高温とも闘わなければならない。「いずれにせよ、私は隊員を信じており、結果に対しても強い自信を持っている。我々は死をもって勇気を証明しようとしているのではなく、知恵と経験、体質、科学的な姿勢をもって死というチャレンジに打ち勝とうとしているからだ」。劉隊長の自信は限りない。

                       「チャイナネット」 2004/07/13