北京周口店遺跡の第一回保護工事が始動


 世界遺産――北京周口店の北京原人遺跡は1929年に初めての「北京原人」頭蓋骨の発掘以来の第一回保護工事が今月末までに始まり、200万元の資金が投下され、10月に完工の予定である。

 『北京晨報』の報道によると、以前の発掘作業が規範的でなかったこともあり、また鉄道車両による地盤の震動、採鉱、風化、雨水による浸食などの自然や歴史的原因により、北京原人遺跡は脅威にさらされ、個別の区間はすでに非常に危険な状態にあった。中国科学院地質・地球物理研究所の専門家によると、「危険は大体、土砂崩れ、雨漏れ、岩盤の軟化などによるものである」。

 今回の保護工事は岩石本体と既存の地形を破壊することなく、遺跡の永久性を保つことを原則として行われ、施工前にコンクリート注入、リベット打ち込みなどの技術手段が取り入れられることになっている。補強個所には鴿子堂、第三地点、第四地点、上部堆積地帯、山頂の洞窟、灰じん層などの6カ所が含まれる。

 数多くの分野の専門家の長期間にわたる検討とフィージビリティー・スタディーを経て、強化案はすでに国家文物局の認可を得ている。方案設計の責任者、遼寧非鉄金属探査研究院技師長補佐の蘭立志氏は記者に、「今回の補強保護工事の完工後、周口店遺跡は強風、豪雨および正常な低温に耐える機能を持つと同時に、激震に耐える能力を備えることになる」と語った。伝えられるところによると、北京周口店遺跡保護『企画』が近いうちに公表されることになっている。この『企画』の中には、北京周口店遺跡の保護細則、環境整備および機構設置などの内容が詳細に盛り込まれることになっている。

 周口店遺跡は北京市西部周口店の竜骨山のふもとに位置している。1929年に古人類学者の裴文中氏が竜骨山の原人洞穴で初めての完全な、50万年前のものとみられる「北京原人」の頭蓋骨化石を発見し、世界じゅうに注目された。周口店北京原人遺跡は1987年にユネスコ(国連教育科学文化機関)によって「世界文化遺産」に組み入れられた。

                        「チャイナネット」 2004年7月19日