2004年上半期、一部の業界が過熱状態に陥り、また成長が明らかに減速したのとは対照的に、穀物生産と農民収入は長年にわたる低迷から抜け出し過去最高の増大傾向を維持した。上半期の経済運営で最大の成果は、穀物の増産と農民収入の増加だ。
農業とくに穀物の生産では、(1)夏季穀物がこの4年間で最高の増産となった。生産量は1億105万トンで、前年比4.8%の増となり、4年連続減産の局面を打開した。(2)栽培面積はこの5年間で最高の増となった。栽培総面積は通年で昨年に比べ約267ヘクタール増えて1000万ヘクタールに達し、5年連続減反の局面が打開される見通し(3)農民の現金収入の増加率がこの8年間で最速を記録した。1人平均収入は1345元で、実質増加率は10.9%と1997年以来最良の1年、8年ぶりに過去最高になると見られる。農業部の杜青林部長は「上半期の農業、とくに穀物生産の変化は喜ばしいことだ。中国共産党中央が発表した1号文書など様々な政策や措置が奏功して、農民の栽培に対する積極性が高まり、短期間のうちに穀物生産と農民収入は回復基調に入った」と指摘した。
農民の現金収入増については、長年見られなかった変化が生じた。増加率が初めて都市部住民を上回った◇2ケタ増を記録した◇栽培業とくに穀物栽培による収入のマイナス局面が打開された――などだ。増収の主因は、党と政府が農民と農業、農村に対する支援を強化したことが挙げられる。中国共産党中央と国務院は1号文書を発表して数カ月後、さらに穀物生産と農民の収入増を支援する一連の政策を打ち出したが、力の入れ様、実益の多さ、制定の速さ、要求の高さいずれも過去余り見られなかったことだ。とくに穀物最低購入価格制度の実施で栽培による利益が保障され、農業税率の引き下げで負担が軽減されたほか、穀物栽培農家への直接補助の実施でより多くの実益がもたらされたことで、農民の栽培意欲が強まった。
農民の収入増のいま1つの主因は、穀物価格の引き上げだ。1人平均収入は589元で、前年比18.9%の増。通年で純収入の増加率は年初目標を突破すると予想される。
杜部長は「それでも、今年の農業・農村経済の発展目標を実現するには、下半期にかなり厳しい任務をこなす必要がある。党中央は下半期に10件の重点項目に力を入れるよう求めているが、その第1が、引き続き農業とくに穀物生産を強化し、生産の促進に関する各政策や措置を着実に実施するとともに、穀物の流通体制改革と農村の税・費用徴収改革を推進することだ」と強調した。
このほか政府は下半期、土地市場の整備を着実かつ円滑に実施して、土地管理に関する新たな体制と制度の確立をめざす。
「チャイナネット」 2004年7月21日
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