三峡ダム地区の水質の安定確保


 中国で有名な長江山峡水利プロジェクトでの初めての環境観測船の仕事が、このほど始まりました。山峡ダムが去年6月に貯水してから、今まで、もう1年になりました。中国の環境保護の関係責任者は、「貯水して1年間で、三峡ダムの水質は全体として安定しており、生態環境も良好だ」と話しました。

 長江三峡ダムが貯水してから、長江上流の水位は、海抜100メートルあまりから135メートルに上がりました。また、貯水によって、600キロメートル近くの巨大なダムになりました。水位が上がるに連れて、両岸の多くの陸地は、水につかってしまいました。当時は、「長江両岸のゴミ、廃水などもダムに入り、水質が下がるだろう」と心配する人もいました。

 三峡プロジェクトの建設職員と環境保護の責任者も、水質汚染のことを十分に考えました。2003年、三峡プロジェクトが貯水する前、関連部門は三峡ダム周辺を厳格に整備しました。付近の生活ゴミ、トイレ、墓などの汚染源を一つ一つ消毒処理しました。

 重慶市巫山県は三峡ダムの中心に当たり、ダムの水質を観測するのにもっともいい場所のひとつです。この1年間、巫山県環境保護局は、水質を観測しています。観測員の劉暁靄さんは、「貯水後の三峡ダムの水質ははっきりした低下はなかった。」といい(音響1)「ダムの水質は安定し、2類から3類の間のレベルで、飲用水にも利用できるぐらいだ。環境保護の基準によって、水質は5類に分けられる。1類は一番水質がいい。それに 対して5類は、一番水質が悪いことだ」と紹介しました。

 三峡ダムの環境保護の責任者の紹介によりますと、三峡ダムが貯水して以来、水質が安定を保っていることは、水質汚染の予防プロジェクトの役割発揮と切り離せないのです。ここ数年来、中国政府は40億元あまりを投入し、三峡ダムの各町で、少なくとも一つの汚水処理工場を設置し、高密度の汚水処理場配置となっています。同時に、関連部門が船舶による汚染の予防管理を強化し、三峡ダムの水環境の安全を保障しているとのことです。

 貯水後、三峡ダム近くの各市と県では、水面の漂流物処理作業を毎日行っています。紹介によりますと、水面に漂うものは、主には雑草、落ちた枝で、水質には大きな影響を与えないということです。三峡ダムの重慶市万州区環境保護局の劉国華副局長は、(音響2)「環境保護局が数回にわたって現場で行った観測によると、三峡ダムが貯水して以来、水面の漂流物の処理状況は予想より良好だ。水面に集中して多く漂っている状況がないことから、貯水前の廃物処理と、貯水して以来の処理作業が成果を遂げたと言える」と紹介しています。

 中国国家環境保護総局は、現在、三峡ダムの22の支流での総合処理計画を立て、これから実施する予定です。この実施は、ダムの支流の水質状況の改善に役に立ちそうです。これからの6年間で、中国は360億元を投入し、汚染処理場と都市部のゴミの処理場の建設にあてます。

                                  「CRI」 2004/7/27