中国、洪水による被災者救助に力を入れる


 夏に入って以来、中国の一部地区、とりわけ南部地区で洪水が発生し、大きな被害が出ています。中国民政省の責任者は27日北京で、「中国政府は、洪水の被害を防ぐための活動を非常に重視し、資金と物資を調達し、被災地の住民の基本的な生活の需要を満たしている」と述べました。

 ここ一ヶ月あまりの間に、中国の一部地区、とりわけ南部地区や長江の中流と下流地域では大雨が降り続き、百年間に一度しかない洪水が発生したところもあります。また、豪雨による山崩れや鉄砲水、土石流などが頻繁に起き、大きな経済的かつ人的な損失を出しています。今までに、洪水による死者が400人あまり、被災者は7000万人に達し、直接の経済的損失は200億元あまりになっています。

 民政省災害救援局の王振躍局長は27日記者会見し、「中国政府は、洪水の被害を防ぎ、被災者に援助を提供する活動を非常に重視している。回良玉副首相が自ら国務院指導グループを率いて、被災地で住民を見舞った。また、民政省は7000万元近くの資金援助を拠出し、テント3600張りを現地に運んだ。このほか、各地は、それ相応の物資を提供している」と述べました。

 王振躍局長はまた「増水期が訪れる前に、民政省は『被災救助活動に関する緊急通達』を出し、応急のための計画を速めに制定し、その演習を行い、作業人員や、装備、資金、物資の面で準備作業を確実に実施するよう各クラス政府に要求している」と述べました。

 増水期に入ってから、民政省の関係者は被害が出るたびに、できるだけ早く駆けつけ、状況を把握し、テントや布団、食品などを即時に運んでいます。被害が起きてから24時間以内に救助物資を現地に届けることを確保しています。

 これと同時に、多数の部門が力を合わせた救助システムが確立されています。これについて王振躍局長は 「中国は災害の被害状況に対する観察を強化し、全国の災害救助を協調させる体制を設けた。中国民政省は関連の部門、例えば、農業省、水利省、衛生省、気象局などと定期的に会議を開き、それぞれに情報を交流し、被害状況について相談、分析し、効果ある救助を即時に提供できるようにしている」と述べました。

 伝えられるところによりますと、中国民政省と関係部門はこれまでに、合同救助グループを12回被災地に派遣しており、被災の状況を把握し、住民が生活の困難を乗り越えるように手伝っています。

 王振躍局長は「救助活動への指導を強化することを通じて、救助活動の体制を改善させ、協調した管理を行っている。現在、被災地では、住民の生活が基本的に保障されており、復旧活動が進行中である。被災地では、すべての人々が救助カードを持っていて、これをもって地元政府から資金と物資の援助をもらうことができる。このほか、ネットを通じた救助活動の管理をしていることで、援助資金の使用がより透明化され、援助資金が真に被災者のために使われることが確保された」と述べました。

                              CRI 2004/07/29